くわ)” の例文
我が越後にも化石渓あり、魚沼郡うをぬまこほり小出こいでざい羽川はかはといふたに水へかひこくさりたるをながししが一夜にして石にくわしたりと友人いうじん葵亭翁きていをうがかたられき。
しかすべてに共通けうつうした手法しゆはふ方針はうしんは、由來ゆらい化物ばけもの形態けいたいには何等なんら不自然ふしぜん箇所かしよがある。それを藝術げいじゆつちから自然しぜんくわさうとするのが大體だい/\方針はうしんらしい。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
そく仕方しあげたに教育せられ薫陶くんとうせられた中から良妻賢母れうさいけんぼ大袈裟おほげさだがなみ一人前の日本にほん婦人が出て来るわけなら芥箱ごみばこの玉子のからもオヤ/\とりくわさねばならない
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
きよらかなるくちつめたきつちあらふをて、やまいもうなぎになる、牛蒡ごばうくて石清水いはしみづそゝがば、あはれ白魚しらうをくわしやせんと、そゞろむねきしが。
城の石垣 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ことに、支那にありては人参に関して荒唐な伝説があり、「抱朴子はうぼくし」には「人参千歳くわして小児せうにとなる」
毒と迷信 (新字旧仮名) / 小酒井不木(著)
美徳びとくはふあやまれば惡徳あくとくくわし、惡徳あくとく用處ようしょ威嚴ゐげんしゃうず。この孱弱かよわい、幼稚いとけなはなぶさうちどく宿よどれば藥力やくりきもある、いでは身體中からだぢゅうなぐさむれども、むるときは心臟しんざうともに五くわんころす。
あだか四肢ししを以て匍匐ほうふくする所の四足獣にくわりたるのおもひなし、悠然いうぜん坦途たんとあゆむが如く、行々山水の絶佳ぜつくわしやうし、或は耶馬渓やまけいおよばざるの佳境かけうぎ、或は妙義山めうぎざんも三舎をくるの険所けんしよ
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
冷却れいきやくしてのち飛散ひさんするとすれば、高尚かうしやうなるほとんかみごと智力ちりよくそなへたる人間にんげんを、虚無きよむより造出つくりだすの必要ひつえうはない。さうしてあたかあざけるがごとくに、またひと粘土ねんどくわする必要ひつえうい。あゝ物質ぶつしつ新陳代謝しんちんたいしやよ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
(一七)李耳りじ無爲むゐにしておのづかくわす、清靜せいせいにしておのづかただし。
我が越後にも化石渓あり、魚沼郡うをぬまこほり小出こいでざい羽川はかはといふたに水へかひこくさりたるをながししが一夜にして石にくわしたりと友人いうじん葵亭翁きていをうがかたられき。
とほあと見返みかへれば、かぜつた友船ともぶねは、千すぢ砂煙すなけぶりをかぶつて、みだれて背状うしろさまきしなつて、あたか赤髪藍面せきはつらんめん夜叉やしやの、一水牛すゐぎうくわして、苜蓿うまごやしうへころたるごとく、ものすさまじくのぞまれた。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
げん其處そこいだともかたれるは、水深すゐしんじつ一千二百尺いつせんにひやくしやくといふとともに、青黒あをぐろみづうるしつて、かぢすべにかはし、ねば/\とかるゝ心地こゝちして、ふねのまゝにひとえたいはくわしさうで
十和田の夏霧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
雨落あまおち敷詰しきつめたこいしにはこけえて、蛞蝓なめくぢふ、けてじと/\する、うち細君さいくん元結もとゆひをこゝにてると、三七さんしち二十一日にじふいちにちにしてくわして足卷あしまきづける蟷螂かまきりはら寄生蟲きせいちうとなるといつて塾生じゆくせいのゝしつた。
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)