“かわや”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カワヤ
語句割合
92.3%
3.8%
1.1%
革屋1.1%
便所0.5%
後架0.5%
皮革商0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かわやのはどうにもならないが、梯子段の近辺は手すりにのぼった。窓の近くは窓にのぼり、欄間に手をかけて屋守やもりの這うかたちでした。
菊植ゆるまがきまたはかわやの窓の竹格子たけごうしなぞの損じたるをみずから庭の竹藪より竹切来きりきたりて結びつくろふたわむれもまた家をそとなる白馬銀鞍はくばぎんあん公子こうしたちが知る所にあらざるべし。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
で、そこへ住むがよかろうということになりました。何はともあれ汚い臭いかわやはたの暗い部屋に住んで居るよりは上等の部屋に居る方が自分も結構ですから、まあ其舎そこへ指して移りました。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
停留所も電車も酔った気分に充ちていた。宝石商も、革屋かわやも、赤と青の旗振りも、同じ空気に酔っていた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
便所かわやがあるのだが、夫人が寝たから、大廻りに玄関へ出て、鞠子のおさんの寝たすそを通って、板戸を開けて、台所だいどこの片隅のひらきから出て、小用をして、手を洗って、手拭てぬぐいを持つと
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「おいで、おいで。」と手招きすれば、先より気色をうかがいたる、(じゃむこう)と来たる。こうべを撫で、かの紙片を首環くびわ結附ゆいつけ、指にてぐいと押込むとたんに、後架かわやの戸ぱたりと開く。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それまで二人が隠れ住んでいた福岡市外の松園まつぞのという処の皮革商かわや離座敷はなれで生れたのであったが、その生声うぶごえを聞くと間もなく、今まで隠忍自重していたMは、初めてT子に謎をかけてみた。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)