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廁
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かわや
ふりがな文庫
“
廁
(
かわや
)” の例文
一行中の二三人がもういびきをかいて寝ている時分に、私は急に大便を催したので岩室を出て外
廁
(
かわや
)
に行った。
富士登山
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
菊植ゆる
籬
(
まがき
)
または
廁
(
かわや
)
の窓の
竹格子
(
たけごうし
)
なぞの損じたるを
自
(
みずか
)
ら庭の竹藪より竹
切来
(
きりきた
)
りて結びつくろふ
戯
(
たわむれ
)
もまた家を
外
(
そと
)
なる
白馬銀鞍
(
はくばぎんあん
)
の
公子
(
こうし
)
たちが知る所にあらざるべし。
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
そして、
廁
(
かわや
)
の側の雨戸を開けて、星の輝いてる空に向って、力限り
抛
(
ほう
)
り上げた。それから床に戻って、いつか教会で聞いた神様の名を幾度も口の中で繰り返えした。
青草
(新字新仮名)
/
十一谷義三郎
(著)
背後
(
うしろ
)
に三段ばかり棚を釣りて、ここに
鍋
(
なべ
)
、
釜
(
かま
)
、
擂鉢
(
すりばち
)
など、勝手道具を
載
(
の
)
せ置けり。
廁
(
かわや
)
は井戸に列してそのあわい遠からず、しかも
太
(
いた
)
く濁りたれば、
漉
(
こ
)
して飲用に供しおれり。
化銀杏
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
朝起きるから寝るまで
叱言
(
こごと
)
である。歩き方がいけない、坐り方が悪い。
廁
(
かわや
)
の出這入りから眠っている間でも寸分の油断はできない。時には、
大喝
(
たいかつ
)
を浴び、横顔へ平手を喰う。
剣の四君子:05 小野忠明
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
その日も
何心
(
なにごころ
)
なく一皿の
中
(
うち
)
少しばかり食べしがやがて二日目の
暁方
(
あけがた
)
突然
腸
(
はらわた
)
搾
(
しぼ
)
らるるが如き
痛
(
いたみ
)
に目ざむるや、それよりは
夜
(
よ
)
の
明放
(
あけはな
)
るるころまで
幾度
(
いくたび
)
となく
廁
(
かわや
)
に走りき。
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
あの男坂の中程に
廁
(
かわや
)
で見た穢ない婆が、
掴
(
つか
)
み附きそうにして控えているので、
悄然
(
しょんぼり
)
と引返す。
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
吹き込みし雪を掃き出す
廁
(
かわや
)
かな
六百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
寺なれば秋蚊
合点
(
がってん
)
廁
(
かわや
)
借る
六百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
廁
漢検1級
部首:⼴
12画