“はばかり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
便所50.0%
21.7%
19.6%
後架4.3%
忌憚2.2%
雪隱2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私が前へ便所はばかりへ往くようにして出て往って、彼処あすこ三叉路みつまたの処で待っておる、お前も後から便所へ行くと云って出て来て、三叉路の処へお出で
白い花赤い茎 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
ちらちらべに色のが交って、咲いていますが、それにさえ、貴方あなた法衣ころもの袖のさわるのは、と身体からだをすぼめて来ましたが、今も移香うつりががして、はばかり多い。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
祖母はその間にはばかりへゆくふりをして、すっかり家中うちじゅうを見てきた。外に見張みはりが一人いるのが蔵の二階の窓から月の光りで見えた。
……大方その同伴つれは、列車の何処かに知合とでも話しているか、後架はばかりにでも行ってるのであろうが、まだ、出て来ません。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
実のうみの母御でさえ、一旦この世を去られし上は——幻にも姿を見せ、を呑ませたく添寝もしたい——我が最惜いとしむ心さえ、天上では恋となる、その忌憚はばかりで、御遠慮遊ばす。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
雪隱はばかりに入つてゐる時間にて誰も見る人なければ身心共に初めて自由を得たる如く心落付き候、これらも樂しみといはゞ樂しみなるべきか、殘る一つは日毎に電車にて往復する時間に候、男らしき顏
一日中の楽しき時刻 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)