“雪隱”のいろいろな読み方と例文
新字:雪隠
読み方割合
せつちん68.8%
せついん12.5%
せんち6.3%
せちいん6.3%
はばかり6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
俚諺に所謂『雪隱せつちんで饅頭を食ふ』やうな卑劣なる行爲を敢てして、而して心竊かに之を智なりとして居るものも隨分有るのである。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
足しいでつゝ手をばすゝがんと見れば雪隱せついんの角の柱に五合樽の片手かたてり引掛あれど中には水なし困じてそばに待ゐたる和吉に吩咐いひつけ井戸の水を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「寢てやはる。……それよりわたへ今しよんべんに上の雪隱せんちへ行くと、戸の中で拍手かしはでが三つ鳴つた。あれは一體何んやらう。」
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
雪隱せちいんわきには、紫陽花あじさゐの花がせひよろけてさびしくいてゐた。花の色はもうせかゝツてゐた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
雪隱はばかりに入つてゐる時間にて誰も見る人なければ身心共に初めて自由を得たる如く心落付き候、これらも樂しみといはゞ樂しみなるべきか、殘る一つは日毎に電車にて往復する時間に候、男らしき顏
一日中の楽しき時刻 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)