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雪隱
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せつちん
ふりがな文庫
“
雪隱
(
せつちん
)” の例文
新字:
雪隠
俚諺に所謂『
雪隱
(
せつちん
)
で饅頭を食ふ』やうな卑劣なる行爲を敢てして、而して心竊かに之を智なりとして居るものも隨分有るのである。
努力論
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
縁側沿ひに
雪隱
(
せつちん
)
の裏へと續いて居るのは不思議ですが、これも辨次が鼬退治で武勇を振つたときの、見得を切つた名殘と見られないこともないのです。
銭形平次捕物控:251 槍と焔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「この通り、たつた二た間の家だ。あとは臺所に、押入に、
雪隱
(
せつちん
)
、匿す場所も、隱れる場所もある筈は無い。踏込んで、床下なり天井裏なり、勝手に搜せ」
銭形平次捕物控:068 辻斬綺談
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
覗いたつて、小判が
蛙
(
かえる
)
に化けるわけぢやあるめえ。人間氣の持ちやうぢや、錢箱も
雪隱
(
せつちん
)
も覗くだらうぢやないか。それだけの事で人一人縛るわけには行かねえよ
銭形平次捕物控:101 お秀の父
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
尤
(
もつと
)
もその晩、まだ宵の内に氣分が惡いと言ひ出して、自分の部屋へ私と母親を呼び付けて大騷動したがね。
雪隱
(
せつちん
)
へ行くとケロリと
癒
(
なを
)
つたと言ふから、安心して引取つたが
銭形平次捕物控:146 秤座政談
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
「何を馬鹿なことを言ふのだ。拙者の來國俊は縁側の刀架にあつたのだぞ——その時拙者は
雪隱
(
せつちん
)
に入つて居たのだ。
拙者
(
せつしや
)
に知られずに、縁側を刀架の側まで來る工夫があると思ふか」
銭形平次捕物控:246 万両分限
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
雪隱
(
せつちん
)
の前に用意してある刀架に任せて置くのですが、何やら胸騷ぎがしたものか、刀架けには長い方の來國俊ひと腰だけを任せ、短い方は手に提げたまゝ便所の中に入つてしまつたのです。
銭形平次捕物控:246 万両分限
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「あれ、まだ鰻に取つつかれて居ますね。あつしの話は同じ長物でも、鰻ぢやなくて槍ですよ。九尺柄
笹穗皆朱
(
さゝほかいしゆ
)
の槍、見事な道具でさ——それを場所もあらうに、
雪隱
(
せつちん
)
へブツリと突つ立てた」
銭形平次捕物控:251 槍と焔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「さすがは親分だ。あつしは地獄の三丁目かと思ひましたよ。どうかしたら、閻魔の屋敷の
雪隱
(
せつちん
)
の床下かも知れないと思つて這ひ出すと、眼の前に燃え殘りの
護摩壇
(
ごまだん
)
が見えるぢやありませんか」
銭形平次捕物控:111 火遁の術
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「へツ、あんまり景氣の良い話ぢやありませんが、
雪隱
(
せつちん
)
へお百度ですよ」
銭形平次捕物控:097 許婚の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
薪
(
まき
)
や材木を積むこと、川岸に小屋や
雪隱
(
せつちん
)
を建てること、二階に灯を點けることまで禁じましたが、夜毎の火事騷ぎは少しも減らず、たうとう四代將軍家綱が豫定された日光參詣の日取まで延引して
銭形平次捕物控:135 火の呪ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「その影法師も、月夜の往來へ出るうちは良かつたが、この節は横着になつて、時々彦太郎の部屋の
障子
(
しやうじ
)
に映つたり、
雪隱
(
せつちん
)
の窓から覗いたり、おかげで彦太郎は近頃少し氣が變になつたといふ話で」
銭形平次捕物控:290 影法師
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
雪隱
(
せつちん
)
にも見えない、——どうしたことだらう」
銭形平次捕物控:301 宝掘りの夜
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
雪
常用漢字
小2
部首:⾬
11画
隱
部首:⾩
17画
“雪隱”で始まる語句
雪隱詰