“せついん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
雪隠83.3%
雪隱16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もし人声がにぎやかであるか、座敷から見透みすかさるる恐れがあると思えば池を東へ廻って雪隠せついんの横から知らぬえんの下へ出る。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
武士の大小をたばさみて雪隠せついんれる図の如きは、一九が『膝栗毛ひざくりげ』の滑稽とそのを一にするものならずや。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
足しいでつゝ手をばすゝがんと見れば雪隱せついんの角の柱に五合樽の片手かたてり引掛あれど中には水なし困じてそばに待ゐたる和吉に吩咐いひつけ井戸の水を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「わしが代りにいてこうか。」と、千代松は冷かしたが、心の中では初代の梅の坊が女犯によぼんの罪を自ら責めて、別當への申譯に、あの上の雪隱せついんで舌を噛み切つて死んだといふ話に就いて考へてゐた。
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
りしが甲夜よりして枕に着たるゆゑなるか夜半の鐘に不斗ふとを覺し見ればかたへにお光のをらぬにさて雪隱せついんへでも行きたるかと思うてやほら寢返ねがへりなし煙草たばこのまんと枕元を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「梅に鶯」と繪にある通りのものを、竹丸はよく雪隱せついんの窓から見た。
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)