“せんち”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:センチ
語句割合
戦地52.9%
泉池11.8%
浅智11.8%
雪隱5.9%
便所5.9%
先知5.9%
戰地5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あに一人ひとりあつたが戦地せんちおくられるともなく病気びやうきたふれ、ちゝ空襲くうしふとき焼死せうしして一全滅ぜんめつした始末しまつに、道子みちこ松戸まつど田舎ゐなか農業のうげふをしてゐる母親はゝおや実家じつかはゝともにつれられてつたが
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
初めはひと眼だけ見るつもりだったが、ひろびろとした芝生や、丘や、森のような樹立や、大きな泉池せんちや茶屋など、さわやかに手入れのゆき届いた庭で、つい知らず奥へ奥へとかれていった。
半之助祝言 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
……昨年わたくしの浅智せんちより、みずから難を求め、久しくご心配をおかけいたしました。どうかおゆるしおき下さいますように
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「寢てやはる。……それよりわたへ今しよんべんに上の雪隱せんちへ行くと、戸の中で拍手かしはでが三つ鳴つた。あれは一體何んやらう。」
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
「上の雪隱せんちと言ひ、風呂場の踏石ふみいしと言ひ、この家にはたゝのあるもんが多い。」
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
「貴様は低能ぢやい、脳味噌がないや、なんぼ便所せんちで勉強したかつて……」
途上 (新字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
其方儀格別かくべつの思召を以て先知せんち八十俵下し置れ新規しんき召出めしいださる
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あはれ新婚しんこんしきげて、一年ひとゝせふすまあたゝかならず、戰地せんちむかつて出立いでたつたをりには、しのんでかなかつたのも、嬉涙うれしなみだれたのであつた。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)