“いうむ”の漢字の書き方と例文
語句割合
有無100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私はただ両国橋の有無いうむかゝはらず其の上下かみしも今猶いまなほ渡場わたしばが残されてある如く隅田川其の他の川筋にいつまでも昔のまゝの渡船わたしぶねのあらん事をこひねがふのである。
水 附渡船 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
既にしば/\云つた如くに、わたくしは棭斎の詳伝の有無いうむを知らない。しかし見聞けんもんの限を以てすれば、其妻であつた狩谷保古はうこの第三女は生歿の年月が不詳であるらしい。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
餘り下に見るより川巾狹く棧橋かけはしよりいたく劣るやうに見ゆるにてマンザラ捨た所にはあらず雨雲ちぎれて飛ぶが如く對面の山倐忽たちまち有無いうむまた面白き景色となりしばらくは足の痛も忘れ石を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
しかしその当れりや否やを知らない。さて懐仙閣本の病源候論も亦完璧ではなくて、四十、四十一、四十二、四十三、計四巻が闕けてゐた。両本は恰も好し有無いうむ相補ふのであつた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)