確然しつかり)” の例文
人情の花もなくさず義理の幹も確然しつかり立てゝ、普通なみのものには出来ざるべき親切の相談を、一方ならぬ実意じつの有ればこそ源太の懸けて呉れしに
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
徹夜よどほし三人で一斗五升飲んだといふ翌朝あくるあさでも、物言ひが舌蕩したたるく聞える許りで、挙動ものごしから歩き振りから、確然しつかりとしてゐた。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
一日てば一日だけ話が運ぶのだから、本当にどうとも確然しつかりめなくてはけないよ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)