“さすらい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
漂泊61.3%
流離6.5%
流浪6.5%
漂浪6.5%
漂白6.5%
彷徨3.2%
放浪3.2%
浮浪3.2%
飄浪3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あの漂泊さすらいの芸人は、鯉魚の神秘をた紫玉の身には、もはや、うみ汁のごとく、つばよだれの臭い乞食坊主のみではなかったのである。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あれほど死にそこなうような苦い思いを一度経験しながら——あれほど寂しい流浪さすらいの旅に行って異郷の客舎のゆかの上にひざまずき、冷い板敷に額を押宛てるまでにして
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「せっかく行ったのに、予期に反して、私が飛びついてもくれなかったといって怒っているの。今まで月々送ったお金の計算もしてあるの。もうすっかり人生がいやになったから、これから漂浪さすらいの旅に上る、というようなことも書いてある。」
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
そのほかどっちを見ても、荒地は全く人気ひとげというものがなく、ただわずかに漂白さすらいのジプシーが二三いるくらいのものだ。これが日曜の晩に事件が起るまでの大体の状況だ。
それは全然まるで作物語つくりものがたりにでもありそうな事件であった。或冬の夕暮に、放浪さすらいの旅に疲れた一人の六部ろくぶが、そこへ一夜の宿を乞求めた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
それが何かの機会はずみ浮浪さすらいの旅役者の手に移り、海を越えて、この女興行師の手に渡って、珍しい絵看板同様の扱いを受けつつ、卓犖たくらくたる旅絵師の眼前に展開せられたものとしたら
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
私はこんなに同輩から疎まれるとともに親しい一人の友が出来た、それはかの飄浪さすらいの少年であった。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)