“さすらい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
漂泊63.3%
流浪6.7%
流離6.7%
漂浪6.7%
漂白6.7%
放浪3.3%
浮浪3.3%
飄浪3.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
山岳切支丹族きりしたんぞくは、もとより秘密の集団です。禁制の宗教を奉じて、山から山を移り棲む、漂泊さすらいの民です。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
去年から今年にかけて、故国の動乱を避けて、漂泊さすらいの旅に出た露西亜の音楽家達が、幾人も幾人も東京の楽壇をにぎわした。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
但一切のもの実は大能掌裡の筋斗翻とんぼがえりに過ぎぬので人々皆通天の路あることを信ずるの一念は、彼が迷宮の流浪さすらいに於ける一の慰めである。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
あれほど死にそこなうような苦い思いを一度経験しながら——あれほど寂しい流浪さすらいの旅に行って異郷の客舎のゆかの上にひざまずき、冷い板敷に額を押宛てるまでにして、男泣きに泣いても足りないほどの痛苦を一度経験しながら——その経験が少しも彼の頼みにはならなかった。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
故郷を離れる時人にも温まる席がないように、故郷なき工藝は流離さすらいに終るであろう。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
わたくしはもう休みたい。流離さすらいはてが見たい。9140
西の方へ長い漂浪さすらいの旅をした時は、ことにそうであった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「せっかく行ったのに、予期に反して、私が飛びついてもくれなかったといって怒っているの。今まで月々送ったお金の計算もしてあるの。もうすっかり人生がいやになったから、これから漂浪さすらいの旅に上る、というようなことも書いてある。」
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
そのほかどっちを見ても、荒地は全く人気ひとげというものがなく、ただわずかに漂白さすらいのジプシーが二三いるくらいのものだ。
あの漂白さすらいの芸人は、鯉魚りぎょの神秘をた紫玉の身には、最早もはや、うみしるの如く、つばよだれくさい乞食坊主のみではなかつたのである。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
或冬の夕暮に、放浪さすらいの旅に疲れた一人の六部ろくぶが、そこへ一夜の宿を乞求めた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
偶然は時として大きな悪戯いたずらをするものですから、もし、かくまで白雲を苦心煩悶せしめる後の方の絵が、十三世紀から十四世紀へかけての西洋の宗教画であって、それが何かの機会はずみ浮浪さすらいの旅役者の手に移り
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
私はこんなに同輩から疎まれるとともに親しい一人の友が出来た、それはかの飄浪さすらいの少年であった。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)