漂浪さすらい)” の例文
西の方へ長い漂浪さすらいの旅をした時は、ことにそうであった。家族と一緒に歩いている旅客を、船や汽車で見た時は、一層その念が強かった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「せっかく行ったのに、予期に反して、私が飛びついてもくれなかったといって怒っているの。今まで月々送ったお金の計算もしてあるの。もうすっかり人生がいやになったから、これから漂浪さすらいの旅に上る、というようなことも書いてある。」
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)