流浪さすらい)” の例文
但一切のもの実は大能掌裡の筋斗翻とんぼがえりに過ぎぬので人々皆通天の路あることを信ずるの一念は、彼が迷宮の流浪さすらいに於ける一の慰めである。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
あれほど死にそこなうような苦い思いを一度経験しながら——あれほど寂しい流浪さすらいの旅に行って異郷の客舎のゆかの上にひざまずき、冷い板敷に額を押宛てるまでにして
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)