“雛形”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひながた84.6%
モデル7.7%
みほん3.8%
もでる3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こういうふう羽翼うよくを附けてこういうように飛ばせば飛ばぬはずはないと見込がついた上でさて雛形ひながたこしらえて飛ばして見ればはたして飛ぶ。
中味と形式 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
現在のわれわれの周囲にも日常頻繁に起りつつある人間の悲劇や喜劇の原型プロトタイプであり雛形モデルであるとも考えられなくはない。
ピタゴラスと豆 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
ちょいと雛形みほんがこんなもの。三十余人の貧民等、暴言を並べ、気焔きえんを吐き、嵐、こがらし一斉いっときどっと荒れて吹捲ふきまくれば、花も、もみじも、ちりぢりばらばら。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
都会人は芸術家が雛形もでるを観る時のやうな眼を以て、人生を観察する。同情と透徹と、冷静と情趣との一見相矛盾した両極を、巧に調和して行けるのは、一国の文明を集中した地に生れた庇蔭である。
谷崎潤一郎氏の作品 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)