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漂浪
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ひょうろう
ふりがな文庫
“
漂浪
(
ひょうろう
)” の例文
けれども私が家を出て、方々
漂浪
(
ひょうろう
)
して帰って来た時には、その喜久井町がだいぶ広がって、いつの間にか
根来
(
ねごろ
)
の方まで延びていた。
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
どうも早や、おれも永らく
身世
(
しんせい
)
漂浪
(
ひょうろう
)
の体じゃ、今まで何をして来たともわからぬ、これからどうなることともわからぬ。
大菩薩峠:08 白根山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
よしんば自分でいくら身を落すつもりでかかっても、まさか親の
敵討
(
かたきうち
)
じゃなしね、そう真剣に自分の
位地
(
いち
)
を
棄
(
す
)
てて
漂浪
(
ひょうろう
)
するほどの
物数奇
(
ものずき
)
も今の世にはありませんからね。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかも彼は根の
締
(
しま
)
らない人間として、かく
漂浪
(
ひょうろう
)
の
雛形
(
ひながた
)
を演じつつある自分の心を
省
(
かえり
)
みて、もしこの状態が長く続いたらどうしたらよかろうと、ひそかに自分の未来を案じ
煩
(
わずら
)
った。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
要するに僕なんぞは、
生涯
(
しょうがい
)
漂浪
(
ひょうろう
)
して歩く運命をもって生れて来た人間かも知れないよ。どうしても落ちつけないんだもの。たとい自分が落ちつく気でも、世間が落ちつかせてくれないから残酷だよ。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“漂浪”の意味
《名詞》
漂うような大きな波。
さまようこと。放浪すること。
(出典:Wiktionary)
漂
常用漢字
中学
部首:⽔
14画
浪
常用漢字
中学
部首:⽔
10画
“漂浪”で始まる語句
漂浪人
漂浪楽人
漂浪民
漂浪者
漂浪零落