“手匣”の読み方と例文
読み方割合
てばこ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お光はかう思ひながら納戸へ入つて、用箪笥の小抽斗の手匣てばこの中から、短かい鎖の付いた豆のやうな金時計を出して見た。
兵隊の宿 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
それにもこりずに、彼は手匣てばことか行李とかを、もう一度一々性急に、しかも丹念にひっくり返してしらべてみるのであった。
あめんちあ (新字新仮名) / 富ノ沢麟太郎(著)
忍藻の部屋へ入ッて見れば忍藻の身の香がするようだし、忍藻の手匣てばこへ眼をとめれば忍藻が側にいるようだ。
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)