“てばこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
手筥39.3%
手筐24.6%
手匣14.8%
手函9.8%
手筺3.3%
手箱1.6%
手凾1.6%
手奩1.6%
手庫1.6%
手篋1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
が、家に持ち伝へた螺鈿らでん手筥てばこや白がねの香炉は、何時か一つづつ失はれて行つた。と同時に召使ひの男女も、誰からか暇をとり始めた。
六の宮の姫君 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
枕許まくらもとの、矢張やはたなにのつた、六角形かくがたの、蒔絵まきゑ手筐てばこをおけなすつたんですよ。うすると、……あのお薬包くすりつゝみと、かあいらしい爪取剪つめとりはさみ一具ひとつと、……
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それにもこりずに、彼は手匣てばことか行李とかを、もう一度一々性急に、しかも丹念にひっくり返してしらべてみるのであった。
あめんちあ (新字新仮名) / 富ノ沢麟太郎(著)
竹渓は家にとどまり、座右の手函てばこおさめた詩草を取出してこれを改刪かいさんしやや意に満ちたものおよそ一百首をえらみ、書斎の床の間に壇を設けて陶淵明とうえんめいの集と、自選の詩とを祭った。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ながい年月としつきそっと秘めてきた心の手筺てばこともいえよう、蓋を明けたい気持はあっても、むざと鍵に手をかけられないのは当然だったかも知れない、こうして春も過き、夏も終りかけた或日のことだった。
菊屋敷 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「ごめんなさい。あとで見せるわね。あの、いつかの奥様みたいな方が持ってきた手箱てばこもあるのよ」
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
かたみの手箱てばこ
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
過ぎし日は鍼醫はりい手凾てばこ
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
思うままの地金を使って、実物のおおきさ、姫瓜、烏瓜ぐらいなのから、小さなのは蚕豆そらまめなるまで、品には、床の置もの、香炉こうろ香合こうごう、釣香炉、手奩てばこたぐい。黄金の無垢むくで、かんざしの玉をきざんだのもある。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と、近習番の三浦喜太夫へ頭を向け、何かささやくと、喜太夫が奥へ入って、手庫てばこを取り寄せて来た。
大谷刑部 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
どういう訳か逗子へ半月ばかり行っていた時の事を半紙二帖にじょうほどに書いたものが、今だに自分の手篋てばこの底に保存されてある。
夏の町 (新字新仮名) / 永井荷風(著)