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手筐
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てばこ
ふりがな文庫
“
手筐
(
てばこ
)” の例文
「あの晩、気分が悪いからと御両親を呼寄せ、
御不浄
(
ごふじょう
)
へ行くと言って、お父様の
手筐
(
てばこ
)
から鍵の束を取出し、それを誰に渡したんです」
銭形平次捕物控:146 秤座政談
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
枕許
(
まくらもと
)
の、
矢張
(
やは
)
り
其
(
そ
)
の
棚
(
たな
)
にのつた、六
角形
(
かくがた
)
の、
蒔絵
(
まきゑ
)
の
手筐
(
てばこ
)
をお
開
(
あ
)
けなすつたんですよ。
然
(
さ
)
うすると、……あのお
薬包
(
くすりつゝみ
)
と、かあいらしい
爪取剪
(
つめとりはさみ
)
が
一具
(
ひとつ
)
と、……
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
呟
(
つぶ
)
やいた。彼の
足許
(
あしもと
)
へ身を寄せるようにして、色紙で
貼交
(
はりま
)
ぜの
手筐
(
てばこ
)
のような物を作っていたさえは
彩虹
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
手筐
(
てばこ
)
の底に
祕
(
ひ
)
め置きし瀧口が送りし文、涙ながらに取り出して
心遣
(
こゝろや
)
りにも
繰
(
く
)
り返せば、先には斯くまでとも思はざりしに、今の心に讀みもて行く一字毎に
腸
(
はらわた
)
も
千切
(
ちぎ
)
るゝばかり。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
手筐
(
てばこ
)
のうちから出して、範宴のまえにおいた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
「あの晩、氣分が惡いからと御兩親を呼寄せ、
御不淨
(
ごふじやう
)
へ行くと言つて、御父樣の
手筐
(
てばこ
)
から鍵の束を取出し、それを誰に渡したんです」
銭形平次捕物控:146 秤座政談
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
派手すぎてなまめかしいような着物や帯が
殖
(
ふ
)
え、
釵
(
かんざし
)
、なかざし、
櫛
(
くし
)
、
笄
(
こうがい
)
、
手筐
(
てばこ
)
、文庫、手鏡などという風に。——真沙はつとめて悦ぼうとした、なかには本当に嬉しい物もあったから。
柘榴
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
上総屋吉兵衛はよほどの決心で佐野の屋敷に行ったらしく、
手筐
(
てばこ
)
の中には万一の場合のために、遺書が用意されてあったということが分りました。
銭形平次捕物控:131 駕籠の行方
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
朱塗の
手筐
(
てばこ
)
は、早くも仕舞ひ込んだ平次。十手を懷へネヂ込むと、
裾
(
すそ
)
をつまんで、サツと外へ出ます。まことに慣れた手順で、一分一厘の
隙
(
すき
)
もありえせん。
銭形平次捕物控:020 朱塗りの筐
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
朱い
手筐
(
てばこ
)
の證文を、三之助へやるまいとしたのも、つまりは
行々
(
ゆく/\
)
自分のものにするつもりだつたので御座います
銭形平次捕物控:020 朱塗りの筐
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「寝間の枕元の
手筐
(
てばこ
)
の中に入れるが、寝間へは誰も入って来ない。唐紙にはいちいち
桟
(
さん
)
がおろしてある」
銭形平次捕物控:146 秤座政談
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「寢間の枕元の
手筐
(
てばこ
)
の中に入れるが、寢間へは誰も入つて來ない。唐紙には一々
棧
(
さん
)
がおろしてある」
銭形平次捕物控:146 秤座政談
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そこへ五日目の晩の事——娘が氣分を惡くしたり手洗へ行つたり、夜中に庭へ出たといふ話を聞いて、父親の
手筐
(
てばこ
)
から鍵を盜んだのがあの娘に違ひないと氣が付いたよ
銭形平次捕物控:146 秤座政談
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
中から出て來たのは、少し古くなつた
桐柾
(
きりまさ
)
の箱で、その
蓋
(
ふた
)
を取ると、中に納めてあるのは、その頃
明人
(
みんじん
)
の
飛來
(
ひらい
)
一
閑
(
かん
)
といふ者が作り始めて、大變な流行になつて來た一
閑張
(
かんばり
)
の
手筐
(
てばこ
)
。
銭形平次捕物控:020 朱塗りの筐
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
俺に万一のことがあったら、
用箪笥
(
ようだんす
)
の中の
朱塗
(
しゅぬり
)
の
手筐
(
てばこ
)
を、中味ごとそっと妻恋坂の倅へ届けてくれ。その中には諸大名を始め、江戸中の大商人に貸した金の証文が一杯入っている。
銭形平次捕物控:020 朱塗の筐
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
少し古くなった
桐柾
(
きりまさ
)
の箱で、その
蓋
(
ふた
)
を取ると、中に納めてあるのは、その頃
明人
(
みんじん
)
飛来一閑
(
ひらいいっかん
)
という者が作り始めて、大変な流行になって来た一閑張の
手筐
(
てばこ
)
、もとより高価なものですが
銭形平次捕物控:020 朱塗の筐
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
お駒は到頭三之丞を説き伏せて
了
(
しま
)
いました。二人は二羽の蝶のように、父親の寝部屋に忍び込むと、そっと枕元に這い寄って、
手筐
(
てばこ
)
の中の鍵と、柱に掛けてある手鍵を
持出
(
もちだ
)
しました。
黄金を浴びる女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それが図星に当って、紅皿と筆をお松の
手筐
(
てばこ
)
に入れたのは、
罠
(
わな
)
に掛ったようなものだ
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
若葉は黙って
手筐
(
てばこ
)
の中から一と
束
(
たば
)
の小菊を取出して、平次の方に押しやりました。
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
若葉は默つて
手筐
(
てばこ
)
の中から一と
束
(
たば
)
の小菊を取出して、平次の方に押しやりました。
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
石見守は腹心の家来
石坂左門次
(
いしざかさもんじ
)
に命じて、その黄金を箱根山中の
何処
(
どこ
)
かに隠させ、後口実を設け、黄金を隠した家来——石坂左門次を斬り、絵図面だけを
手筐
(
てばこ
)
に入れて、寝間の床下に埋めて置いた
大江戸黄金狂
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
小さい
手筐
(
てばこ
)
の中にいつぞや平次に見せた紅皿の外に、もう一つ使いかけの紅皿があって、それには指でなく、筆の跡があり、その紅を使ったらしい軸の短い紅筆までが添えてあるではありませんか。
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
小さい
手筐
(
てばこ
)
の中にいつぞや平次に見せた紅皿の外に、もう一つ使ひかけの紅皿があつて、それには指でなく、筆の跡があり、その紅を使つたらしい
軸
(
ぢく
)
の短かい紅筆までが添へてあるではありませんか。
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
と臨終の床で渡された小さい
手筐
(
てばこ
)
があります。
新奇談クラブ:01 第一夜 初夜を盗む
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
筐
漢検1級
部首:⽵
12画
“手”で始まる語句
手
手拭
手前
手巾
手繰
手許
手向
手綱
手際
手燭