“一具”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひとつ57.1%
いちぐ42.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
枕許まくらもとの、矢張やはたなにのつた、六角形かくがたの、蒔絵まきゑ手筐てばこをおけなすつたんですよ。うすると、……あのお薬包くすりつゝみと、かあいらしい爪取剪つめとりはさみ一具ひとつと、……
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
……きふごしらへのあぶらりないしらちやけた提灯ちやうちん一具ひとつに、ちひさくなつて、家中うちぢうばかりぱち/\として、陰氣いんき滅入めいつたのでは、なんにも出來できず、くちもきけない。
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いかり一具いちぐすわつたやうに、あひけんばかりへだてて、薄黒うすぐろかげおとして、くさなかでくる/\と𢌞まはくるまがある。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
自分は自分のシカケを取出して、穂竿ほざお蛇口へびくちに着け、釣竿を順につないで釣るべく準備した。シカケとは竿以外のいとその他の一具いちぐを称する釣客の語である。その間にチョイチョイ少年の方を見た。
蘆声 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)