“涎衣”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぜんい50.0%
よだれかけ50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一日あるひ侯は急に榛軒を召した。榛軒は涎衣ぜんいを脱することを忘れて侯の前に進み出た。上下しやうか皆笑つた。榛軒わづかに悟つてしづかに涎衣を解いて懐にし、てんたる面目があつた。是が二つである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
榛軒は庚寅の年に侯に扈随して福山に往つた時、午後屡轎中に仮寐かびした。そして涎が流れて襟をうるほした。榛軒は自ら白布を截つて涎衣よだれかけを製し、かごのぼる毎にこれを腮下さいかに懸けた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)