“蔓衍”の読み方と例文
読み方割合
まんえん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
明治十二、三年のころ、虎列拉病コレラびょうが両三度にわたって東京の町のすみずみまで蔓衍まんえんしたことがあった。路頭にたおれ死するものの少くなかった話を聞いた事がある。
西瓜 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
銀座通の裏表に処をえらばず蔓衍まんえんしたカフエーが最も繁昌し、又最も淫卑いんぴに流れたのは、今日こんにちから回顧すると、この年昭和七年の夏から翌年にかけてのことであった。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)