“まんえん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
蔓延74.1%
万延15.5%
万円6.9%
蔓衍3.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
火災が起こり飢饉ききんが始まった。何もかも、ありとあらゆるものが滅びていった。疫病はしだいに猖獗しょうけつを加え、ますます蔓延まんえんしていった。
雲雀ひばりは死んだように黙ってしまい、菜の花も青い麦も雪の下だった。万延まんえん元年のこの日は、江戸表だけの天変地異ではなかったのである。
旗岡巡査 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あくるとしとったほうのおんなは、デパートの、かざられた衣裳いしょうまえっていました。そこには、三万円まんえんふだのついた帯地おびじ、また二万円まんえんふだのさがったが、かかっていました。
かざぐるま (新字新仮名) / 小川未明(著)
銀座通の裏表に処をえらばず蔓衍まんえんしたカフエーが最も繁昌し、又最も淫卑いんぴに流れたのは、今日こんにちから回顧すると、この年昭和七年の夏から翌年にかけてのことであった。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)