万円まんえん)” の例文
旧字:萬圓
この鳥居の費用が二千両、いまでいうと七、八万円まんえんだそうですから、いかに豪勢なものか想像にあまりある。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
あくるとしとったほうのおんなは、デパートの、かざられた衣裳いしょうまえっていました。そこには、三万円まんえんふだのついた帯地おびじ、また二万円まんえんふだのさがったが、かかっていました。
かざぐるま (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれは、んだ金魚きんぎょが三びきで一万円まんえんはしたろうということや、自分じぶん月給げっきゅうすくなく、とてもあんなのはえないということを、くりかえし同僚どうりょうはなしたし、また事件発見者じけんはっけんしゃ島本医学士しまもといがくしにまで
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
大資産家だいしさんかなららず、そうでないものが、一万円まんえんのらんをもとめるというのは、よほどの好者こうしゃですね。それも全財産ぜんざいさんをただの一鉢ひとはちのらんにえたというのですから、おどろくじゃありませんか。
らんの花 (新字新仮名) / 小川未明(著)
利息りそくの一としてなるつたけ上等じょうとう金魚きんぎょをもつてこいつて、いやがるんです。わたしは、しゃくだから、三びきでせいぜい五千円せんえんというランチュウを、三万円まんえんだとふつかけてつてつたんですが……
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
わたしがそのやまへ、ともだちにもけずに、らんをさがしにいったのは、すぐのちのことです。じつをいえば、矛盾むじゅんじますが、はなにあこがれるよりは、一万円まんえんあたいするらんをさがすためだったのです。
らんの花 (新字新仮名) / 小川未明(著)