すく)” の例文
追撃して高陽附近に至る頃明将楊元新手を率いて来りすくった。李如松も之に力を得、部将李如柏、李如梅、李寧等もいずれも自身剣を執って戦った。
碧蹄館の戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
のち金兵来寇するに及び、所部四百騎もて十余戦せるも、大将王権はまずのがれ、武将戴皐たいこうは来りすくわず、興ついに馬とともに討死うちじにせるを朝廷憫んで廟を建てた。
私があなたの家をすくったことは、一つのかめ位ではありません。なぜすこしは私の顔もたててくれないのです。私は、今、あなたにほんとうのことをいいます。私は人ではありません。
小翠 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
菊江は大声を立ててすくいを求めようとしたが、刑事か巡査が通っていないかぎり、人家はそれほど遠くないにしたところで、この夜更けにすぐ援いを求めることはできないうえに
女の怪異 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
然れども不幸にして先鋒せんぽう楊松、燕王のために不意を襲われて雄県ゆうけんに死し、潘忠はんちゅういたすくわんとして月漾橋げつようきょうの伏兵にとらえられ、部将張保ちょうほ敵に降りて其の利用するところとなり、遂に滹沱河こだかの北岸におい
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「あれえ!」と叫びてすくいを求めたりしは、このときの血声なりき。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
康の三国の兵が西涼府せいりょうふを囲む、玄宗、不空三蔵をして祈らしむると、毘沙門の王子、兵を率いて府をすくい、敵営中に金色の鼠ありて弓絃を皆断ったので大勝利となり