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些
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すく
ふりがな文庫
“
些
(
すく
)” の例文
ピアノの無い小学校が稀であると同時に、中流以上の家庭で蓄音機の無い処は
些
(
すく
)
ない方であろう。レコードなんぞは縁日で売っている。
東京人の堕落時代
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
これは至極
宜
(
い
)
い案であるから、人名が多いか、
些
(
すく
)
ないか、精細に調べさせて見ようと相談はたちまち一決して早速人名録作成の人に補助することにして
幕末維新懐古談:47 彫工会の成り立ちについて
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
江戸ッ子に親類がすくないということは彼等の人口が殖えぬということで、結局、彼等の子を産む数が
些
(
すく
)
ないということになる。
街頭から見た新東京の裏面
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
それから
些
(
すく
)
なくて三四台、多くて七八台から十台位の、美事に飾り立てた二頭立の馬車が行くので、その中に崑崙を飲みに行く富豪だの貴人だのが
狂人は笑う
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
そうしてどこかのメッセンジャー・ボーイでも来たのかな……と思いながら立ち止まって、その少年の姿に気を付けてみると、心の底で
些
(
すく
)
なからず驚いた。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
北の方から深川方面のは寧ろ貧民に近い方で、芝の金杉方面のは貧民ではないが、イナセな気分が
些
(
すく
)
ない。
街頭から見た新東京の裏面
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
一方はサッサと引込まれるといったような御経験は、特におつとめの
些
(
すく
)
ない、率直を重んぜられる吾が日本の御婦人方にとってお珍らしいであろうと考えられます。
鼻の表現
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
を喜ぶ真実味の
些
(
すく
)
ない人間は、いつも魂が
上付
(
うわつ
)
いているから充実した機能の満足を遂げ得ぬ、だから将来滅亡するようになると云ったが、少々乱暴な議論だけれども
街頭から見た新東京の裏面
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
とうとうこれに浮されて、一生しんみりした鼻の表現の価値を認めず人間らしいつき合いの味を知らずに、しかも得々として眼をつぶる者さえ
些
(
すく
)
なくないのであります。
鼻の表現
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
しかし心の中では
些
(
すく
)
なからず
躊躇
(
ちゅうちょ
)
していた。否、むしろ一種の馬鹿馬鹿しさをさえ感じていた。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
且つ、その刺戟の対象たる母親千世子が、
後
(
うしろ
)
向きになりたる姿を見たるがために、
些
(
すく
)
なからず幻滅されて、平生の埋智に帰りて就寝したるものなる事も
亦
(
また
)
察するに
難
(
かた
)
からず。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
その
間
(
かん
)
に数分、甚だしきに到っては一二時間の睡眠を経過せる事を発見する例、
些
(
すく
)
なからず。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
もっともこの七八年というもの彼は、所帯を持ったり、子供は出来たりで、好きな数学の研究に没頭して、自分の魂を遊離させる機会が
些
(
すく
)
なかったせいかも知れなかったが……。
木魂
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
だから吾が妻ながら時折は薄気味の悪い事や、うるさい事もないではなかったが、しかし、そうした妻の頭の
作用
(
はたらき
)
に就いて私が内心
些
(
すく
)
なからず
鬼胎
(
おそれ
)
を
抱
(
いだ
)
いていた事は事実であった。
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
却
(
かえ
)
って得るところが
些
(
すく
)
ないのを怨んだという佳話が残っているそうであるが、その辺にも礼節格式を重んずる翁一流の謙虚な用意が窺われて云い知れぬ床しさが
偲
(
しの
)
ばれるようである。
梅津只円翁伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
まさか……まさかと思っていたのが案外早く手がまわったので……同時に
些
(
すく
)
なからず腹も立った。どうしても一番手数のかかる、最後の手段を
執
(
と
)
らなければならない事が予想されたので……。
冗談に殺す
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
些
漢検準1級
部首:⼆
7画
“些”を含む語句
些少
些々
些事
些細
些末
些子
些程
些中
些細事
露些
一些事
今些
些額
些許
些計
些箇
些末事
些末主義
些技
些小
...