すく)” の例文
と、つい十日程前の奇禍におびえている魂が、新しい身ぶるいを起して、おりんのひとみをすくめました。——そして思わず、彼女の唇が
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と一同で疑わしげな眼を向け直す間に、すばやく、ツツツと小六と源七の間を摺り抜けてきた侍は、右手めての鉄扇を左の手に持ち直し、いきなり身のすくむような雷鳴一声
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その底力のある声に、道中ずれのした馬子もぎょッと首をすくめてしまった。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)