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すく
ふりがな文庫
“
縮
(
すく
)” の例文
と云いながら
傍
(
そば
)
へ寄って、源三の
衣領
(
えり
)
を
寛
(
くつろ
)
げて
奇麗
(
きれい
)
な指で触ってみると、源三はくすぐったいと云ったように頸を
縮
(
すく
)
めて
障
(
さえぎ
)
りながら
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「
懐中
(
ふところ
)
も冷めてえが、浮世も冷めてえ」首を
縮
(
すく
)
めてヒョロヒョロと歩くと、また懲りずまに門に立ち、河東節の三味線を弾き出した。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
思いの
他
(
ほか
)
、声だけは確であったが、悪寒がするか、いじけた
小児
(
こども
)
がいやいやをすると
同一
(
おなじ
)
に
縮
(
すく
)
めた首を破れた寝ン寝子の襟に
擦
(
こす
)
って
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
立ち
縮
(
すく
)
んだも道理、手箱の中には一と
掴
(
つか
)
みの灰だけ。確か其處へ入れた筈の、巨盜の手紙三本は、煙の如く消えてしまつたのです。
銭形平次捕物控:150 槍の折れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
身輕手輕と
夫
(
それ
)
ばかりを
專
(
せん
)
にしたる
旅出立
(
たびでたち
)
なれば二方荒神の中に
縮
(
すく
)
まりてまだ雨を持つ雲の中に
上
(
のぼ
)
る太華山人其の
寒
(
さぶ
)
さを察し
袷羽織
(
あはせばおり
)
を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
▼ もっと見る
由平は婢の
肩端
(
かたはじ
)
へ斬りつけた。婢は悲鳴をあげて倒れた。婢の悲鳴を聞きつけてあがって来た
主翁
(
ていしゅ
)
は、由平の
後
(
うしろ
)
から抱き
縮
(
すく
)
めようとした。
阿芳の怨霊
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「用心しないと
不可
(
いけな
)
い。
何処
(
どこ
)
からか石を投げる奴があるぞ。」と、巡査は注意した。権次は首を
縮
(
すく
)
めて岩のかげに隠れた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
彼は
途々
(
みちみち
)
この
一言
(
いちごん
)
を胸に
幾度
(
いくたび
)
か繰返した、そして一念
端
(
はし
)
なくもその夜の先生の
怒罵
(
どば
)
に触れると急に足が
縮
(
すく
)
むよう思った。
富岡先生
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
不図
(
ふと
)
、その線路の
側
(
そば
)
で、
饅頭笠
(
まんぢゆうがさ
)
を冠つて居る例の番人に逢つた。私は
身
(
からだ
)
を
縮
(
すく
)
めずに其番小屋の側を通れなかつた。
突貫
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
代助はアンドレーフの「七刑人」の最後の模様を、此所まで頭の中で繰り返してみて、ぞっと肩を
縮
(
すく
)
めた。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
こんな有樣で二階に居る身も氣が氣でない。
宛
(
さなが
)
ら自分等があの亂暴な野卑な催促を受けて居るかのやうで二人とも息を殺して身を小さくして
縮
(
すく
)
んでゐたのである。
一家
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
私もそれから
彼方此方
(
あっちこっち
)
と見物も致しましたが、私は此の様に
肥
(
ふと
)
ってますもんですから、股が
縮
(
すく
)
むようで何だかがっかり致しますので、それから何でございますね
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
代助はアンドレーフの『七刑人』の最後の模樣を、此所迄頭の中で繰り返して見て、
竦
(
ぞつ
)
と肩を
縮
(
すく
)
めた。
知られざる漱石
(旧字旧仮名)
/
小宮豊隆
(著)
お嬢さんはお父さんの話を黙って聞きながら、私の心を掻き乱すようなその美しい眼に、淋しい
笑
(
えみ
)
を見せて、私を
凝
(
じっ
)
と見詰めていた。私は
身内
(
からだ
)
が
縮
(
すく
)
むように思った。
妖影
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
臍
(
へそ
)
の下を住家として魂が何時の間にか有頂天外へ宿替をすれば、静かには坐ッてもいられず、ウロウロ座舗を
徘徊
(
まごつ
)
いて、舌を吐たり肩を
縮
(
すく
)
めたり思い出し笑いをしたり
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
彼女は、首を
縮
(
すく
)
めて、ふとんをかぶると、
大丸髷
(
おおまるまげ
)
が枕にひっかかった。
遠藤(岩野)清子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
渦巻
烟
(
けむ
)
る吹雪に捲かれて、どこにも手がかりの無い岨道を踏み外したが最後、二度と日の目を見られないと思うと、何故とはなしに
身体
(
からだ
)
が
縮
(
すく
)
んで、成るたけ谷に遠い側の足跡を拾い拾い急いで行った。
眼を開く
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
吉里は足が
縮
(
すく
)
んだようで、
上
(
あが
)
り
框
(
がまち
)
までは行かれなかッた。
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
女教師は
慌
(
あわて
)
て首を
縮
(
すく
)
めて、
手巾
(
ハンケチ
)
で口を抑へた。
道
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
最初は驚き
縮
(
すく
)
んだ私ではあるが
航海
(新字新仮名)
/
今野大力
(著)
いや、駆け出そうとしたのですが、十メートル四方ほどの
広間
(
ホール
)
を出て、外へ出る
隧道
(
トンネル
)
へかかろうとして立ち
縮
(
すく
)
んでしまったのです。
水中の宮殿
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
さてこの頃宗三郎とお絹は、宗春と浜路の籠っている、その岩部屋の左手の戸口、その外側に立ち
縮
(
すく
)
みながら、
内
(
なか
)
の様子を窺っていた。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「滅相な。」と帳場を
背負
(
しょ
)
って、
立塞
(
たちふさ
)
がる
体
(
てい
)
に腰を掛けた。いや、この時まで、紺の
鯉口
(
こいぐち
)
に手首を
縮
(
すく
)
めて、
案山子
(
かかし
)
のごとく立ったりける。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それを聞くと
莚包
(
むしろづつみ
)
と
焼明
(
たいまつ
)
を持った背の高い男は、首を
縮
(
すく
)
めるようにして口をつぐんでしまった。そして、一行は無言になって
磧
(
かわら
)
の
裾
(
すそ
)
へ往った。
赤い土の壺
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
沒する程の所あり
何卒
(
なにとぞ
)
小山の上を少しの間歩き玉ひてと車夫の乞ふに心得たりと下りては見たれどなまじ車に足を
縮
(
すく
)
めたる爲め痛み強くわづかに
蝙蝠傘
(
かうもりがさ
)
を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
煙るやうな夜の空気を浴び乍ら、次第に
是方
(
こちら
)
へやつて来る人影を認めた時は、丑松はもう身を
縮
(
すく
)
めて、危険の
近
(
ちかづ
)
いたことを思はずには居られなかつたのである。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
頬を吹く
雨後
(
あまあがり
)
の寒い朝風は、無数の針を含んでいる
様
(
よう
)
にも感じられたので、市郎は思わず
襟
(
えり
)
を
縮
(
すく
)
めながら、充血した眼に大空を仰ぐと、東は
漸
(
ようや
)
く明るくなったが
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
代助はアンドレーフの「七刑人」の最後の模様を、
此所
(
こゝ
)
迄
頭
(
あたま
)
の
中
(
なか
)
で繰り返して見て、
竦
(
ぞつ
)
と
肩
(
かた
)
を
縮
(
すく
)
めた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ぎょッとして思わず心で叫びながら、立ち
縮
(
すく
)
んだ。辰馬に誘われ、初めて行ってみた
賭場
(
とば
)
に運悪く手入れがあって、二人は命からがらここまで落ちのびて来たのである。
黒猫十三
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
いずれ川上の方の事だから高いには
相違
(
そうい
)
ないが、
恐
(
おそ
)
ろしい高い山々が、余り高くって天に
閊
(
つか
)
えそうだからわざと首を
縮
(
すく
)
めているというような
恰好
(
かっこう
)
をして、がん
張
(
ば
)
っている
状態
(
ありさま
)
は
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「
難有
(
ありがと
)
う」と言ったぎり自分が
躊躇
(
もじもじ
)
しているので斎藤は
不審
(
いぶかし
)
そうに自分を見ていたが、「イヤ失敬」と言って去って
終
(
しま
)
った。十歩を隔てて彼は振返って見たに違ない。自分は思わず
頸
(
くび
)
を
縮
(
すく
)
めた。
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
ト返答をして文三は肩を
縮
(
すく
)
める。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
そんな群集の話を聴くと、お静はハッと立ち
縮
(
すく
)
みました。玉水一座の花形太夫小艶が、綱の上で何か間違いをしたのでしょう。
銭形平次捕物控:118 吹矢の紅
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
グイと胸を開けて
鳩尾
(
みぞおち
)
を探る。その手にさわった革財布。そのままズルズルと引き出すと、まず手探りで
金額
(
たか
)
を数え、じっとなって立ち
縮
(
すく
)
む。
三甚内
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
壮
(
わか
)
い男は首を
縮
(
すく
)
めて
俯向
(
うつむ
)
いておりました。見張の男は
背後
(
うしろ
)
の方で、手鼻をかむ音をさせました。長者は
室
(
へや
)
の内をあっちこっちと歩きだしました。
宇賀長者物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
応
(
うむ
)
、
肯
(
き
)
かれないな。よし、肯かれなきゃあ無理に肯かすまでのことだ。して見せる事があるわい。というは
平常
(
いつも
)
の
折檻
(
せっかん
)
ぞとお藤は手足を
縮
(
すく
)
め紛る。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「おお、寒い。」と、
彼女
(
かれ
)
は肩を
縮
(
すく
)
めつつ
四辺
(
あたり
)
を見廻すと、暗い
家
(
いえ
)
の中には何物も無かった。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
突くばかり
直
(
すぐ
)
に峠にて馬車の上に
縮
(
すく
)
みたる足なればチト息ははづみたり此峠に
古
(
いに
)
しへは
棧橋
(
かけはし
)
ありしとか思ふに今にして此嶮岨なれば
棧橋
(
かけはし
)
は
強
(
あなが
)
ち一ヶ所に限らず
所々
(
しよ/\
)
に在しならん芭蕉の
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
逸
(
はや
)
る氣になるのもある、散る氣になるのもある、弛む氣の生ずるのもある、
亢
(
たかぶ
)
る氣の生ずるのもある、凝る氣の生ずるのもある、
縮
(
すく
)
む氣の生ずるのも有り、舒びる氣の生ずるのも有る。
努力論
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
そんな群集の話を聽くと、お靜はハツと立ち
縮
(
すく
)
みました。玉水一座の花形太夫小艶が、綱の上で何にか間違ひをしたのでせう。
銭形平次捕物控:118 吹矢の紅
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
と呼ばわり、もう一人の乾児が、味方が討たれたのに怯え、立ち
縮
(
すく
)
んでいる所へ、真一文字に寄り、肩を胸まで斬り下げ
血曼陀羅紙帳武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
讓を廊下で抱き
縮
(
すく
)
めたような女と同じぐらいな年
恰好
(
かっこう
)
をした年増の女が、
隻手
(
かたて
)
に大きなバケツを持って左の方から来た。
蟇の血
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
嘉吉が気が違いました一件の時から、いい年をしたものまで、黒門を向うの奥へ、
木下闇
(
このしたやみ
)
を
覗
(
のぞ
)
きますと、足が
縮
(
すく
)
んで、一寸も前へ出はいたしませぬ。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
右左から清吉を抱き
縮
(
すく
)
めてしまったが、こうなると又おふくろが承知しない。
三浦老人昔話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
立ち
縮
(
すく
)
んだも道理、手箱の中には、一と
掴
(
つか
)
みの灰だけ。確かにそこへ入れたはずの、巨盗の手紙三本は、煙のごとく消えてしまったのです。
銭形平次捕物控:150 槍の折れ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
もしいつまでも岩を背に、
縮
(
すく
)
んでおいでなさるなら、よろしいよろしい次第に迫り詰め、十二本の白刃一時に、雨のように浴びせてお目にかける。
神秘昆虫館
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
中からは
遠濤
(
とおなみ
)
の音のような人の泣声が聞えてきた。それは物凄い、肉を刻まれ骨を砕かれる時のような叫びであった。譔はもう足が
縮
(
すく
)
んでしまった。
令狐生冥夢録
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
やがてはたと地に落ちて、
土蜘蛛
(
つちぐも
)
の
縮
(
すく
)
むごとく、円くなりて
踞
(
うずくま
)
りしが、またたく
間
(
ひま
)
に立つよとせし、矢のごとく駈け
出
(
いだ
)
して、曲り角にて見えずなりぬ。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
鷲のような眼玉に睨まれて、散り残った一団の人数、逃げも隠れもならず、首をすくめ、顔色を失って、ただおろおろと立ち
縮
(
すく
)
むばかりです。
礫心中
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
襖にピッタリ
背
(
せな
)
をもたせ、立ち
縮
(
すく
)
んでいる幹之介、額から汗が眼へはいる。「俺には出来ない! 俺には出来ない」
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
“縮”の解説
縮(ちぢみ)とは中世日本において枡の大小差から発生する計量上の減少分のこと。
(出典:Wikipedia)
縮
常用漢字
小6
部首:⽷
17画
“縮”を含む語句
萎縮
縮尻
畏縮
唐縮緬
一縮
恐縮
伸縮
縮毛
緋縮緬
黒縮緬
居縮
絹縮
縮緬
大縮尻
紫縮緬
縞縮緬
友禅縮緬
縮図
緊縮
收縮
...