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蹙
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せば
ふりがな文庫
“
蹙
(
せば
)” の例文
川幅が
濶
(
ひろ
)
かったが、谷が次第に
蹙
(
せば
)
まって、
水嵩
(
みずかさ
)
が多くなったので、左の岸の森へ入った、山桜がたった一本、交って、小さい花が白く咲いているのが、先刻の白花の石楠花とふたつ
谷より峰へ峰より谷へ
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
夜
(
よる
)
の
手
(
て
)
は
對岸
(
たいがん
)
の
松林
(
まつばやし
)
の
陰翳
(
かげ
)
を
其
(
そ
)
の
水
(
みづ
)
に
投
(
な
)
げて、
川幅
(
かわはゞ
)
は
僅
(
わづか
)
に
半分
(
はんぶん
)
に
蹙
(
せば
)
められて
見
(
み
)
える。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
われは
料
(
はか
)
らずも眉を
蹙
(
せば
)
めて、我に許嫁の妻なし、未來にも亦さる人なからんと叫びぬ。マリアの面には失望の色をあらはせり。そはこの
贈
(
おくりもの
)
を取次ぎて我を悦ばしめんことを
期
(
ご
)
せしが故なり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
この
蹙
(
せば
)
まった隅の所では
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
それも段々
蹙
(
せば
)
まって、乾き切った石の谷も、水がちょろちょろ走りはじめたので、もう雪が近いとおもわれた、梓川は寸線にちぢまり、焼岳は焼け
爛
(
ただ
)
れた顔面を、半分見せたきりであるが
谷より峰へ峰より谷へ
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
▼ もっと見る
私は運命の
蹙
(
せば
)
まりしと共に、胸狹くなりしを自ら覺え居候。
扨
(
さて
)
見苦しき假住ひに御尋下され候時、我目を覆ひし
面紗
(
ヱエル
)
の忽ち落つるが如く、君の初より眞心もて我を愛し給ひしことを悟り候ひぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
崖が
蹙
(
せば
)
まったところは、嘉門次と人夫とで、
仆
(
たお
)
れた木を
梯子
(
はしご
)
代りに崖にさしかけ、うるさい小枝を
鉈
(
なた
)
で切っ払って、その瘤を
足溜
(
あしだ
)
まりに、一人ずつ登る、重い荷をしょった人夫の番になると
谷より峰へ峰より谷へ
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
蹙
漢検1級
部首:⾜
18画
“蹙”を含む語句
顰蹙
窘蹙
一顰一蹙
打蹙
窮蹙
蹙縮然
蹙足爺
蹙面