“競(せめ)” の例文
ああ、この事件はあらゆる犯罪の中で、道徳の最も頽廃(たいはい)した型式なのでございます。そして、その黝(くろ)ずんだ溝(どぶ)臭い溜水の中で、あの五人の方々が喘(あえ)ぎ競(せめ)いていたのでございますわ
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
冬次郎様と競(せめ)ぎ合い、幾変転幾安危、その間死者あり生者あり、失脚せし人、乗り出す人あり、浮世の性(さが)をきわめましたが、ふたたびそなたを駕籠にのせ、冬次郎様お屋敷へ差し立てまして
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)