せち)” の例文
我また汝のせちに求むるものを指して請ふ、若しトスカーナの地を踏むことあらば、わが宗族うからの中に汝再びわが名を立てよ 一四八—一五〇
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
この運命の定まるべき日の、せちに待たるゝと共に、あるときは其成功の覺束おぼつかなき心地せられて、熱病む人の如くなることあり。
山に住み世にさかるとも、またく世を厭ふにあらず、五月蠅うるさやとせちに思へど、人来ねばたづきも知らず、妻と我、二人居れども、かくてあれども、時をりはただ寂しくて眼を見合せぬ。
いついつきあへぬおもひゆたかにてせちにあらなむ。
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
せちにルナの神を敬ひまつるこの時
いといとせちなるふりくも
秋の日 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
今日けふわれせちかねりせり
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
ねざめぬ夢こそせちに願へ。
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
あゝ胸柱むなばしらせちにわなゝく。
わなゝき (新字旧仮名) / 末吉安持(著)
われまくせちに願ひぬ。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
我は即ち最もせちに語るを求むるさまなりし魂にむかひ、あたかも願ひ深きに過ぎて心亂るゝ人の如く、いひけるは 三四—三六
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
只だ心中に往來ゆききするせちなる願は、今一たびアヌンチヤタと相見て、今一たびこれに詞をかはさんといふことのみ。嗚呼、アヌンチヤタはまことに不幸なりき。
山に住み世にさかるとも、またく世を厭ふにあらず、五月蠅うるさやと、せちに思へど、人来ねばたづきも知らず、妻と我、二人居れども、かくてあれども、時をりはただ寂しくて、眼を見合せぬ。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
いついつきあへぬおもひ豊かにてせちにあらなむ。
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
おこたしもべせちに呼びて
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
せちになつかし
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
されど焦され燒かるべき身なりしをもて、彼等を抱かんことをせちに我に求めしめしわが善き願ひは恐れに負けたり 四九—五一
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
わが聖母マドンナ其他の諸聖を祈る心のせちなりしこと此時に過ぐるはなかりき。
流轉るてんさうばうぜむと、心のかわきいとせち
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
ベルナルドは、その燃ゆる愛の目的めあてにわが目のせちに注がるゝを見て、己が目をもいとなつかしげにこれにむけ 一三九—一四一
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
流転るてんそうぼうぜむと、心のかわきいとせち
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
答ふるにおよびて我曰ひけるは、あはれ幾許いくその樂しき思ひ、いかにせちなる願ひによりてかれらこの憂ひの路にみちびかれけん 一一二—一一四
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
人凶夢を見て夢に夢ならんことをねがひ、すでに然るを然らざるごとくせちに求むることあり 一三六—一三八
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)