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切
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ぎ
ふりがな文庫
“
切
(
ぎ
)” の例文
というのは、ハイドラと来ちゃ、一つ頭をちょん
切
(
ぎ
)
ったと思うと、すぐそのあとから二つの頭が生えて来るというわけですからね。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
手許
(
てもと
)
の
火鉢
(
ひばち
)
に
載
(
の
)
せた
薬罐
(
やかん
)
からたぎる
湯気
(
ゆげ
)
を、千
切
(
ぎ
)
れた
蟋蟀
(
こおろぎ
)
の
片脚
(
かたあし
)
のように、
頬
(
ほほ
)
を
引
(
ひ
)
ッつらせながら、
夢中
(
むちゅう
)
で
吸
(
す
)
い
続
(
つづ
)
けていたのは
春重
(
はるしげ
)
であった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
塀
(
へい
)
から
押
(
おつ
)
かぶさりました、
其
(
そ
)
の
大
(
おほき
)
な
椎
(
しひ
)
の
樹
(
き
)
の
下
(
した
)
に
立
(
た
)
つて、
半紙
(
はんし
)
四
(
よ
)
つ
切
(
ぎ
)
りばかりの
縱長
(
たてなが
)
い——
膏藥
(
かうやく
)
でせう——
其
(
それ
)
を
提灯
(
ちやうちん
)
の
上
(
うへ
)
へ
翳
(
かざ
)
して、はツはツ
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
困りますね私も心配するなと云い
聞
(
きか
)
せて置きますが、
何
(
ど
)
う云うものか
彼処
(
あすこ
)
へ引籠った
切
(
ぎ
)
りで、気が
霽
(
は
)
れぬから庭でも見たら
宜
(
よ
)
かろうと云うと
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
大地
(
だいち
)
は自然に
続
(
つゞ
)
いてゐるけれども、其上に
家
(
いへ
)
を
建
(
た
)
てたら、忽ち
切
(
き
)
れ
/\
(
ぎれ
)
になつて仕舞つた。
家
(
いへ
)
の
中
(
なか
)
にゐる
人間
(
にんげん
)
も亦
切
(
き
)
れ
切
(
ぎ
)
れになつて仕舞つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
おれは
一文
(
いちもん
)
なしになって、皆にばかにされて、うえ死にをしなければならないんだ。五分
切
(
ぎ
)
り、
一寸
(
いっすん
)
だめしも同様だ。
かたわ者
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
焼けのこりの板
切
(
ぎ
)
れなぞをひろいあつめて道ばたにかり小屋をつくり、その中にこごまっていたりして、たき出しをもらって食べたりしていたのです。
大震火災記
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
しかも
切
(
き
)
れ
切
(
ぎ
)
れに
叫
(
さけ
)
ぶのを
聞
(
き
)
けば、あなたが
死
(
し
)
ぬか
夫
(
をつと
)
が
死
(
し
)
ぬか、どちらか
一人
(
ひとり
)
死
(
し
)
んでくれ、
二人
(
ふたり
)
の
男
(
をとこ
)
に
恥
(
はぢ
)
を
見
(
み
)
せるのは、
死
(
し
)
ぬよりもつらいと
云
(
い
)
ふのです。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
幕府が倒れると私はスグ帰農して、
夫
(
そ
)
れ
切
(
ぎ
)
り双刀を廃して丸腰になると、塾の中でも段々廃刀者が出来る。所がこの廃刀と云う事は中々容易な事でない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
お
媼
(
ばあ
)
さんは、
今日
(
けふ
)
もうれしさうに
畑
(
はたけ
)
を
見廻
(
みまは
)
して
甘味
(
うま
)
さうに
熟
(
じゆく
)
した
大
(
おほ
)
きい
奴
(
やつ
)
を一つ、
庖丁
(
ほうてう
)
でちよん
切
(
ぎ
)
り、さて、さも
大事
(
だいじ
)
さうにそれを
抱
(
かゝ
)
えてかえつて
行
(
ゆ
)
きました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
「姉ちゃんほんまに寝てはるねんやろか。」「眼エ覚ましたらいかん。」いうて、ヒソヒソしゃべってるのんが
切
(
き
)
れ
切
(
ぎ
)
れに聞えますのんを、私はうとうとしながら聞いてて
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
『だから
総計
(
そうけい
)
八十六
円
(
えん
)
と
申
(
もう
)
しているのです。それ
切
(
ぎ
)
り
私
(
わたし
)
は一
文
(
もん
)
も
所有
(
も
)
っちゃおらんので。』
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「贅澤などしやせん!」お鳥は憎々しさうにさへ
切
(
ぎ
)
つた。が、千代子はそれに搆はず
泡鳴五部作:01 発展
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
それは、
世阿弥
(
よあみ
)
が、死のまぎわに、口に洩らしかけてこと
切
(
ぎ
)
れた謎のことばであった。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
たった今向こうの森の中で
捕虜
(
いけどり
)
にされたものと見えて、頬の辺に生々しい切り傷の跡がついていてそこから生血が流れている。純白の服はズタズタに千
切
(
ぎ
)
れ肌さえ
露骨
(
あらわ
)
に現われている。
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
笠太 (さえ
切
(
ぎ
)
つて)お言葉中でがすが、区長さん、あんた甚次の伯父かね?
妻恋行
(新字旧仮名)
/
三好十郎
(著)
と
言
(
い
)
って、はさみで
舌
(
した
)
をちょん
切
(
ぎ
)
ってしまいました。そして
舌切りすずめ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
それから次には首をちょん
切
(
ぎ
)
られ、体を四つにぶつ切られる。
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
チヨン
切
(
ぎ
)
り
落
(
おと
)
して
蒼
(
あを
)
い
顏
(
かほ
)
赤い旗
(旧字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
大地は自然に続いているけれども、その上に
家
(
いえ
)
を建てたら、
忽
(
たちま
)
ち
切
(
き
)
れ
切
(
ぎ
)
れになってしまった。家の中にいる人間もまた切れ切れになってしまった。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
何
(
なん
)
だか私は恟りしましたよ、私をポンと突飛ばして二階からドン/\
駈下
(
かけお
)
りて、私はまア
何
(
ど
)
うなすったかと思って居りましたら、それ
切
(
ぎ
)
りでお帰りも無し
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
黒繻子
(
くろじゆす
)
の
襟
(
えり
)
のかゝつた
縞
(
しま
)
の
小袖
(
こそで
)
に、
些
(
ちつ
)
とすき
切
(
ぎ
)
れのあるばかり、
空色
(
そらいろ
)
の
絹
(
きぬ
)
のおなじ
襟
(
えり
)
のかゝつた
筒袖
(
こひぐち
)
を、
帶
(
おび
)
も
見
(
み
)
えないくらゐ
引合
(
ひきあは
)
せて、
細
(
ほつそ
)
りと
着
(
き
)
て
居
(
ゐ
)
ました。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
その事は横浜の新聞紙にも出て居たのであるが、ソレ
切
(
ぎ
)
り少しも消息が分らない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
出
(
だ
)
さぬと、はさみでちょん
切
(
ぎ
)
るぞ。
猿かに合戦
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
夏向座敷へ出ます
姿
(
なり
)
は
絽
(
ろ
)
でも
縮緬
(
ちりめん
)
でも
繻袢
(
じゅばん
)
なしの
素肌
(
すはだ
)
へ着まして、汗でビショ
濡
(
ぬれ
)
になりますと、直ぐに脱ぎ、一度
切
(
ぎ
)
りで
後
(
あと
)
は着ないのが見えでございましたと申しますが
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
進で行く中に、何も見えるものはないその中で
以
(
もっ
)
て、一度
帆前船
(
ほまえせん
)
に
遇
(
あ
)
うたことがあった。ソレは
亜米利加
(
アメリカ
)
の船で、支那人を乗せて行くのだと云うその船を一艘見た
切
(
ぎ
)
り、
外
(
ほか
)
には何も見ない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
ならぬと、はさみでちょん
切
(
ぎ
)
るぞ。
猿かに合戦
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
これは
私
(
わし
)
が
良人
(
おやじ
)
の形見でございまして、七ヶ年
前
(
あと
)
出た
切
(
ぎ
)
り
行方
(
ゆくえ
)
が知れませんが、大方死んだろうと考えていますから、良人の出た日を命日として此の観音さまへ線香を上げ
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ならぬと、はさみでちょん
切
(
ぎ
)
るぞ。
猿かに合戦
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
十五両一分で御用達ったのは
僅
(
わず
)
か三十金でございますが、あれ
切
(
ぎ
)
り何とも御沙汰がございませんから、再度参りました所が、
何分
(
なにぶん
)
御不都合の御様子でございますから遠慮致して
居
(
お
)
るうちに
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
朝参りに
平常
(
ふだん
)
の
姿
(
なり
)
で出ました
切
(
ぎ
)
り帰りませんから、方々探しても知れませんでしたが、貴方様の所へ
往
(
い
)
っていると知れゝば着替えでも届けるものを、
何時
(
いつ
)
までもお置きなすって下さいまし
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私に話もしないで
此方様
(
こちらさま
)
へ書入れにして金を
借
(
かり
)
るとは
余
(
あんま
)
りではないか、お前のような不人情な人に附いていても、どんな目に逢うか知れないから、
何卒
(
どうぞ
)
夫婦の縁は是れ
切
(
ぎ
)
りにしておくんなさい
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
又
一方
(
かた/\
)
は前橋の竪町で、清水助右衞門と云って名高い
富豪
(
ものもち
)
でありましたが、三千円の金を持って出た
切
(
ぎ
)
り更に帰って来ませんので、借財方から厳しく
促
(
はた
)
られ
遂
(
つい
)
に身代限りに成りまして、
微禄
(
びろく
)
いたし
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
という是れが
決闘状
(
はたしじょう
)
の
取遣
(
とりや
)
りでございますが、
向
(
むこう
)
は盗賊の同類が
多人数
(
たにんず
)
居りますから、
其等
(
それら
)
が取巻いて飛道具でも向けられゝば其れ
切
(
ぎ
)
り、左もない所が相手も粥河圖書だからおめ/\とも討たれまい
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
國「これ
切
(
ぎ
)
りかえ」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“切”の意味
《名詞》
(きれ)布の一部分。転じて布。
《形容動詞》
(セツ)緊急である、余裕がない。
(セツ) 心を込めて祈るさま。
(セツ) 身にしみて強く感じるさま。
《助詞》
(きり、ぎり)のみ。だけ。
(出典:Wiktionary)
切
常用漢字
小2
部首:⼑
4画
“切”を含む語句
大切
一切
切々
突切
打切
切断
切歯
思切
切立
切端
引切
息切
掻切
巾着切
半切
仕切
切通
切符
切掛
手切
...