“くひしば”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
50.0%
切齒50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
アンドレイ、エヒミチはうんざりして、長椅子ながいすうへよこになり、倚掛よりかゝりはうついかほけたまゝくひしばつて、とも喋喋べら/\しやべるのを詮方せんかたなくいてゐる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
玉兎つきも仏国西方に傾く頃を南無仏南無仏、恩愛永離おんないえいりの時こそ来つれと、もとゞり斬つて持仏堂ぢぶつに投げこみ、露憎からぬ妻をも捨て、いとをしみたる幼きものをも歯をくひしばつて振り捨てつ
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
と、たちまおぼゆるむね苦痛くつうちやう疼痛とうつうたれするどかまもつて、ゑぐるにはあらぬかとおもはるゝほどかれまくら強攫しがき、きりゝとをばくひしばる。いまはじめてかれる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
長椅子ながいすうへよこになつたり、さうしてくひしばつてゐるのであるが、れが段々だん/\度重たびかさなればかさなほどたまらなく、つひには咽喉のどあたりまでがむづ/\してるやうなかんじがしてた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
室内しつない一面いちめん濛々もう/\としたうへへ、あくどい黄味きみびたのが、生暖なまぬるつくつて、むく/\あわくやうに、……獅噛面しかみづら切齒くひしばつた窓々まど/\の、隙間すきま隙間すきま天井てんじやう廂合ひあはひから流込ながれこむ。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
御糺明下ごきうめいくだし置れなば久兵衞申かけの段は明白に相分り候儀ゆゑ此段恐れながら御賢慮下ごけんりよくだし置れ候樣ひとへに願ひ上げ奉つり候と文右衞門は如何にも無念むねんさまおもてあらはれこぶしにぎ切齒くひしばりて一伍一什いちぶしじふ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
切齒くひしばりて控へられしがやゝありて然ば證據の御品拜見せんと云ふに山内は天一坊にむかひ奉行越前御證據の御品おんしな拜見願ひ奉つるとひければ天一坊は奉行越前へ拜見ゆるすと云ふやがて藤井左京長持の錠を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)