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切
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せ
ふりがな文庫
“
切
(
せ
)” の例文
御身
(
おんみ
)
とて
何時
(
いつ
)
までか父母の家に
留
(
とど
)
まり得べき、幸いの縁談まことに良縁と覚ゆるに、早く思い定めよかしと、いと
切
(
せ
)
めたる
御言葉
(
おんことば
)
なり。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
男で居ながら、こんなにも上手な方があるものを、
切
(
せ
)
めてその指一本でも、私の
身体
(
からだ
)
についたらばと、つい、おろおろと泣いたのです。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
骨となってまでも宙宇にさまよった大杉は永久に浮ぶ瀬はあるまいが、鼠色でも
鳶色
(
とびいろ
)
でも歴史上の
大立物
(
おおだてもの
)
となったのは
切
(
せ
)
めてもの満足であろう。
最後の大杉
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
まだ己の此処に押込められてる事は知るまい、
切
(
せ
)
めて手紙でも遣りたいと
硯
(
すゞり
)
を引寄せ、筆を取り上げ
文
(
ふみ
)
を書こうとすると
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
事実約束よりも半月以上も長く働きは働いたが、
切
(
せ
)
ッぱつまった仕事ばかりなのでその
間
(
かん
)
の仕事はとても無理なのだ。
党生活者
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
▼ もっと見る
道理
(
ことわり
)
切
(
せ
)
めし文角ぬしが、今の言葉に
僕
(
やつがれ
)
が、
幾星霜
(
いくとしつき
)
の迷夢
醒
(
さ
)
め、今宵ぞ悟るわが身の罪障思へば恐しき事なりかし。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
新聞紙も敷かず板の間に
坐
(
すわ
)
ってしまうと、両手で顔を
蔽
(
おお
)
うて眼をツブった。「休まなくては
不可
(
いけ
)
ない、俺が倒れてはならぬ」そンな
切
(
せ
)
ッ
端
(
ぱ
)
つまった気持だった。
冬枯れ
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
柔
(
やはら
)
かき
人
(
ひと
)
ほど
氣
(
き
)
はつよく
學士
(
がくし
)
人々
(
ひと/″\
)
の
涙
(
なみだ
)
の
雨
(
あめ
)
に
路
(
みち
)
どめもされず、
今宵
(
こよひ
)
は
切
(
せ
)
めてと
取
(
と
)
らへる
袂
(
たもと
)
を
優
(
やさ
)
しく
振切
(
ふりき
)
つて
我家
(
わがや
)
へ
歸
(
かへ
)
れば、お
民
(
たみ
)
手
(
て
)
の
物
(
もの
)
を
取
(
と
)
られしほど
力
(
ちから
)
を
落
(
おと
)
して
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
火
(
ほのほ
)
来りて身に
逼
(
せま
)
り、苦痛
己
(
おのれ
)
を
切
(
せ
)
むれども、心に
厭
(
いと
)
ひ
患
(
うれ
)
へず、
出
(
い
)
でんことを求むる
意
(
こころ
)
無し
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
切
(
せ
)
めて自分を養家へ口入した、西田と云う
爺
(
じい
)
さんの
行
(
や
)
っているような仕事に活動してみたいとも思った。その爺さんは、近頃陸軍へ馬糧などを納めて、めきめき家を大きくしていた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
切
(
せ
)
めて雛祭などをして、淋しさを慰めている光景をあわれと見たのである。
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
旦那の泊りに來なかつたことが、
切
(
せ
)
めてもの有り難さであつたけれど、
偖
(
さて
)
今こゝで旦那に棄てられたら、この家は何うなるであらうかと、二番鷄の歌ふ頃には、そんなことをもちら/\考へて來た。
兵隊の宿
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
切
(
せ
)
めて自分の運命の儚さを嘲笑ふ位なものである。
工場の窓より
(新字旧仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
剰
(
あまつさ
)
え大阪より附き添い来りし巡査は皆
草津
(
くさつ
)
にて交代となりければ、
切
(
せ
)
めてもの顔
馴染
(
なじみ
)
もなくなりて、
憂
(
う
)
きが中に三重県津市の監獄に着く。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
あの、船で手を取って、あわれ、生命掛けた恋人の、口ずから、
切
(
せ
)
めて、
最愛
(
いとし
)
い、と云って
欲
(
ほし
)
い、可哀相とだけも聞かし給え。
浮舟
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
団十郎が井侯をお
伴
(
とも
)
にしないまでも
切
(
せ
)
めては対等に交際して侯伯のお
伴
(
とも
)
を栄としない見識があって欲しかったといった。
四十年前:――新文学の曙光――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
其の
文
(
ふみ
)
に
此方
(
こちら
)
へ越して来た時からお前さんを見染めて忘れる暇はないゆえ、藤原と別れて独りものになりましたらば、
切
(
せ
)
めてお盃の一つも戴きたい
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
見
(
み
)
るが
切
(
せ
)
めての
樂
(
たの
)
しみなり
我
(
わ
)
れは
望
(
のぞ
)
みとて
無
(
な
)
き
身
(
み
)
なれば
生涯
(
しやうがい
)
この
家
(
や
)
に
御奉公
(
ごほうこう
)
して
御
(
お
)
二
タ
方
(
かた
)
さま
朝夕
(
あさゆふ
)
の
御世話
(
おせわ
)
さては
嬰子
(
やゝ
)
さま
生
(
う
)
まれ
給
(
たま
)
ひての
御抱
(
おだ
)
き
守
(
も
)
り
何
(
なに
)
にもあれ
心
(
こゝろ
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
切
(
せ
)
めては父母
兄弟
(
けいてい
)
に
余所
(
よそ
)
ながらの
暇乞
(
いとまご
)
いもなすべかりしになど、様々の思いに
耽
(
ふけ
)
りて、睡るとにはあらぬ
現心
(
うつつごころ
)
に、何か騒がしき物音を感じぬ。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
お屋敷へ持参致す心得でございますからどうか
切
(
せ
)
めて
一月
(
ひとつき
)
もお
日延
(
ひのべ
)
が出来れば願いたいものでございます
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
令孃
(
ひめ
)
が
部屋
(
へや
)
の
戸
(
と
)
一
枚
(
まい
)
を
隔
(
へだ
)
てに、
今宵
(
こよひ
)
かぎりの
名殘
(
なごり
)
を
惜
(
を
)
しまんとて、
心
(
こヽろ
)
も
空
(
そら
)
も
宵闇
(
よひやみ
)
の
春
(
はる
)
の
夜
(
よ
)
、
落花
(
らくくわ
)
の
庭
(
には
)
に
踏
(
ふ
)
む
足
(
あし
)
の
音
(
おと
)
なきこそよけれ、
切
(
せ
)
めては
夢
(
ゆめ
)
に
入
(
い
)
れかしと
忍
(
しの
)
びぬ。
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
晩年暫らく
相乖離
(
あいかいり
)
していたのを衷心遺憾に思いながらも、最後の会見に釈然として何も
彼
(
か
)
も忘れ、笑って快く一時間余りも隔てなく話したのは
切
(
せ
)
めてもの
心遣
(
こころやり
)
であった。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
高島田
(
たかしまだ
)
の
前髮
(
まへがみ
)
に
冷
(
つめた
)
き
刃
(
やいば
)
あり、
窓
(
まど
)
を
貫
(
つらぬ
)
くは
簾
(
すだれ
)
なす
氷柱
(
つらゝ
)
にこそ。カチリと
音
(
おと
)
して
折
(
を
)
つて
透
(
す
)
かしぬ。
人
(
ひと
)
のもし
窺
(
うかゞ
)
はば、いと
切
(
せ
)
めて
血
(
ち
)
を
迸
(
ほとばし
)
らす
匕首
(
あひくち
)
とや
驚
(
おどろ
)
かん。
新婦
(
よめぎみ
)
は
唇
(
くちびる
)
に
含
(
ふく
)
みて
微笑
(
ほゝゑ
)
みぬ。
婦人十一題
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
多「誠に御無沙汰を致しました、
切
(
せ
)
めて一日置きにもお見舞に出てえと思って居りやしたが、見世を出して夜も商いをしやすから、忙しくってつい御無沙汰をしました」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
うわ言をいつたり夢を見たり、こんな事で一生を送れば人は定めし
大白痴
(
おほたはけ
)
と思ふなるべく、其やうな馬鹿になつてまで思ふ心が通じず、なき縁ならば
切
(
せ
)
めては優しい詞でもかけて
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「雪叟が鼓を打つ! 鼓を打つ!」と身を
揉
(
も
)
んだ、胸を
切
(
せ
)
めて、
慌
(
あわただ
)
しく取って
蔽
(
おお
)
うた、手拭に、かっと血を吐いたが、かなぐり棄てると、
右手
(
めて
)
を
掴
(
つか
)
んで、按摩の手をしっかと取った。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
切
(
せ
)
めて山本伯の
九牛一毛
(
きゅうぎゅういちもう
)
なりとも功名心があり、粘着力があり、利慾心があり、かつその上に今少し
鉄面皮
(
てつめんぴ
)
であったなら、恐らく二葉亭は二葉亭四迷だけで一生を終らなかったであろう。
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
切
(
せ
)
めてはお帰りの時には立派にしたいと若旦那さまも仰しゃいまするし、
私共
(
わたくしども
)
もお立派になってお帰りになるように致したいと存じまする、それに差支えますると云うは
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
うわ
言
(
こと
)
をいつたり
夢
(
ゆめ
)
を
見
(
み
)
たり、こんな
事
(
こと
)
で一
生
(
せう
)
を
送
(
おく
)
れば
人
(
ひと
)
は
定
(
さだ
)
めし
大白痴
(
おほたわけ
)
と
思
(
おも
)
ふなるべく、
其
(
その
)
やうな
馬鹿
(
ばか
)
になつてまで
思
(
おも
)
ふ
心
(
こゝろ
)
が
通
(
つう
)
じず、なき
縁
(
ゑん
)
ならば
切
(
せ
)
めては
優
(
やさ
)
しい
詞
(
ことば
)
でもかけて
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
切
(
せ
)
めては
世間並
(
せけんなみ
)
の
真人間
(
まにんげん
)
にしなければ沼南の
高誼
(
こうぎ
)
に対して済まぬから、年長者の義務としても門生でも何でもなくても日頃親しく出入する
由縁
(
ゆかり
)
から十分訓誡して目を覚まさしてやろうと思い
三十年前の島田沼南
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
見棄てちゃアなんねえというから、あなたのお心へ任して送りはしねえが、
切
(
せ
)
めて戸頭まで送りてえと思って居ります、
塚前
(
つかさき
)
の
彌右衞門
(
やえもん
)
どんは死んだかどうか知んねえが
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
うわ言をいつたり夢を見たり、こんな事で一生を送れば人は定めし
大白痴
(
おほだわけ
)
と思ふなるべく、そのやうな馬鹿になつてまで思ふ心が通じず、なき縁ならば
切
(
せ
)
めては優しい詞でもかけて
ゆく雲
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
切
(
せ
)
めて元の身代の半分にでも
身上
(
しんしょう
)
が直ったらおいささん、お前と夫婦に成りましょう、私も女房を持たずに一生懸命に
稼
(
かせ
)
ぎやすが、
貴方
(
あなた
)
も亭主を持たずに待って居てください
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
もう
逢
(
あ
)
つては
下
(
くだ
)
さらぬかなどヽ
敷居
(
しきゐ
)
の
際
(
きわ
)
にすり
寄
(
よ
)
つてお
園
(
その
)
の
泣
(
な
)
けるも
知
(
し
)
らず、
學士
(
がくし
)
はその
時
(
とき
)
つと
起
(
た
)
つて、
今日
(
けふ
)
はお
名殘
(
なごり
)
なるに
切
(
せ
)
めては
笑
(
わら
)
ひ
顏
(
がほ
)
でも
見
(
み
)
せて
給
(
たま
)
はれとさらり
障子
(
しようじ
)
を
明
(
あ
)
くれば
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
実
(
まこと
)
の親達の無慈悲を聞きましたから、
殊更
(
ことさら
)
に養い親の恩が有難くなりましたが、両親とも
歿
(
な
)
い
後
(
のち
)
は致し方がございませんから、
切
(
せ
)
めては
懇
(
ねんごろ
)
に供養でもして恩を返そうと思いまして
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
代
(
だい
)
はやるほどに
何處
(
どこ
)
か
开處
(
そこ
)
らまで、
切
(
せ
)
めて
廣小路
(
ひろこうぢ
)
までは
行
(
い
)
つてお
呉
(
く
)
れと
優
(
やさ
)
しい
聲
(
こゑ
)
にすかす
樣
(
やう
)
にいへば、
成
(
な
)
るほど
若
(
わか
)
いお
方
(
かた
)
ではあり
此
(
この
)
淋
(
さび
)
しい
處
(
ところ
)
へおろされては
定
(
さだ
)
めしお
困
(
こま
)
りなさりませう
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
お
父様
(
とっさま
)
を殺したのは意趣遺恨か知れないが、何しろ女の腕では
讎
(
かたき
)
を討つことが出来ない、自分も二百四十石取った
士
(
さむらい
)
の娘、
切
(
せ
)
めては怨みを晴したいが兄弟もなし、別に親類もない
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
代はやるほどに何処か
开処
(
そこ
)
らまで、
切
(
せ
)
めて広小路までは行つておくれと優しい声にすかす様にいへば、なるほど若いお方ではありこの淋しい処へおろされては定めしお困りなさりませう
十三夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
よし
人目
(
ひとめ
)
には
戀
(
こひ
)
とも
見
(
み
)
よ
我
(
わ
)
が
心
(
こヽろ
)
狂
(
くる
)
はねばと
燈下
(
とうか
)
に
對坐
(
むかひ
)
て、
成
(
な
)
るまじき
戀
(
こひ
)
に
思
(
おも
)
ひを
聞
(
き
)
く
苦
(
く
)
るしさ、
敏
(
さとし
)
はじめよりの一
念
(
ねん
)
を
語
(
かた
)
り、
切
(
せ
)
めてはあはれと
曰
(
のたま
)
へと
恨
(
うら
)
むに、
勿体
(
もつたい
)
なきことヽて
令孃
(
ひめ
)
も
泣
(
な
)
き
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
へえ
私
(
わたくし
)
も
今日
(
こんにち
)
は非番で、ま別に
知己
(
しるべ
)
もありませんし、
未
(
ま
)
だ当地の様子も
不慣
(
ふなれ
)
でございますから、道を覚えて置かなければなりません、
切
(
せ
)
めて小梅のお中屋敷へまいる道だけでも覚えようと存じて
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
此折
(
このおり
)
何
(
なに
)
とも
思
(
おも
)
はれず、
切
(
せ
)
めて
歸
(
かへ
)
りは
鳥
(
とり
)
でも
喰
(
た
)
べてと
機嫌
(
きげん
)
を
取
(
と
)
られるほど
物
(
もの
)
がなしく、
逃
(
に
)
げ
出
(
だ
)
すやうにして一
散
(
さん
)
に
家路
(
いゑぢ
)
を
急
(
いそ
)
げば、
興
(
けふ
)
こと/\く
盡
(
つ
)
きて
與
(
よ
)
四
郎
(
らう
)
は
唯
(
たゞ
)
お
美尾
(
みを
)
が
身
(
み
)
の
病氣
(
いたつき
)
に
胸
(
むね
)
をいためぬ。
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何
(
ど
)
うかしてお
竹
(
たけ
)
や
切
(
せ
)
めて
此
(
こ
)
の
眼
(
め
)
を
片方
(
かた/\
)
でも
宜
(
い
)
いから明けてくんなよ。
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
其
(
その
)
お
書
(
か
)
き
捨
(
す
)
ての
反古
(
ほご
)
にても
身
(
み
)
に
添
(
そ
)
へて
持
(
も
)
たば
本望
(
ほんまう
)
なるべく、
切
(
せ
)
めて一
筆
(
ふで
)
の
拜見
(
はいけん
)
が
願
(
ねが
)
ひたきなり、されども
斯
(
か
)
く
下賤
(
げせん
)
の
我
(
わ
)
れ、いか
樣
(
やう
)
に
思
(
おも
)
ふとも
及
(
およ
)
びなき
事
(
こと
)
にて、
無禮
(
ぶれい
)
ものとお
叱
(
しか
)
りを
受
(
う
)
ければ
夫
(
それ
)
まで
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
親父
(
おやじ
)
が長々の眼病で居りまして、お医者様にも
診
(
み
)
て貰いましたが、
迚
(
とて
)
も療治は届かないと申されましたから、
切
(
せ
)
めて
片方
(
かた/\
)
だけでも見えるように致したいと思って御無理な願いを天神様へ致しました
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
圖「でもございましょうが、
切
(
せ
)
めて一杯召上って
私
(
わたくし
)
へ頂戴致し
度
(
と
)
う」
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
清「いや
然
(
そ
)
うでない、今日は
切
(
せ
)
みて落合まで
行
(
よ
)
く
積
(
つもり
)
で」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“切”の意味
《名詞》
(きれ)布の一部分。転じて布。
《形容動詞》
(セツ)緊急である、余裕がない。
(セツ) 心を込めて祈るさま。
(セツ) 身にしみて強く感じるさま。
《助詞》
(きり、ぎり)のみ。だけ。
(出典:Wiktionary)
切
常用漢字
小2
部首:⼑
4画
“切”を含む語句
大切
一切
切々
突切
打切
切断
切歯
思切
切立
切端
引切
息切
掻切
巾着切
半切
仕切
切通
切符
切掛
手切
...