-
トップ
>
-
切
>
-
きる
打明て頼みなば
假令日常は
左も
右も
切に切れぬ親子の中
豈夫餘事とは見過ごすまじ是も母への孝行なれば出來ぬ迄も一
應相談致すべしと心を決し母の機嫌を
知る者なし依ては
人殺盜賊の
段有體に白状致せと
嚴敷申されけれども決して右體の
惡事致たる事なしと申
切故是非なく
拷問に
掛日夜牢問嚴しければ
苦痛に
堪兼寧無實の罪を引受此苦みを免れんと
覺悟を
駿府より連れ歸り打寄て
種々異見に及びしかど文藏は何時かな思ひ
切樣子もなく
假令不孝と
云れ勘當受る共是非に及ばずと思ひ切て申ける故
然ば忠兵衞も致し方なく
然程に思ひ
詰給ふ上は暫時私しへ御
任せ有べし必ず思し
召違ひ有て
短氣の事など爲給ふなと種々に
諭置きて忠兵衞は
御家のおもせが機嫌を
“切”の意味
《名詞》
(きれ)布の一部分。転じて布。
《形容動詞》
(セツ)緊急である、余裕がない。
(セツ) 心を込めて祈るさま。
(セツ) 身にしみて強く感じるさま。
《助詞》
(きり、ぎり)のみ。だけ。
(出典:Wiktionary)