きつ)” の例文
つみおとし入んと計りくらき夜に昌次郎と兩人ふたりにて男女をころし悴娘の着類をきせ兩人の首をきつて川へ流せしおもむき最早兩人より白状はくじやうに及びしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かつ如此かくのごとき事をこゝろみし事なし、こゝろみてそのはなは馬鹿気ばかげきつたる事をみとめたれば全然ぜん/\之を放棄はうきせり、みちおこなことみちく事なり
問答二三 (新字旧仮名) / 内村鑑三(著)
しかなほこれは眞直まつすぐ眞四角ましかくきつたもので、およそかゝかく材木ざいもくようといふには、そまが八にん五日いつかあまりもかゝらねばならぬとく。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
近所きんじよ女房等にようばうらは一たん晒木綿さらしもめん半分はんぶんきつてそれでかたばかりのみじか經帷子きやうかたびら死相しさうかく頭巾づきんとふんごみとをつてそれをせた。ふんごみはたゞかくにして足袋たびかはり爪先つまさき穿かせるのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
和尚おしよう如何どうだナなど扶持ふちでもしてくやうにはゞかせて、茶の呑倒のみたふしを、コレハ先生よくこそ御来臨ごらいりんさいはかたより到来たうらい銘酒めいしゆ、これも先生に口をきついただくは、青州せいしう従事じゆうじ好造化かうざうくわなどゝきゝかぢりと
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
何方どちらいらつしやいます。』とくちきつた。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
良久しばらくして彼女かれは思ひきつて口をきぬ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
きつはなして急催促きふさいそく言譯いひわけすべきほどもなくたちま表向おもてむきの訴訟沙汰そしようざたとはれりけるもと松澤まつざは數代すだい家柄いへがら信用しんようあつければ僅々きん/\せん二千にせんかね何方いづかたにても調達てうたつ出來得できうべしと世人せじんおもふは反對うらうへにて玉子たまご四角しかくまだ萬國博覽曾ばんこくはくらんくわいにも陳列ちんれつ沙汰さた
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
きつて來りつゝ居合はせし善六に向ひたづぬる樣に昨日年頃としのころ十八九の女の黒縮緬くろちりめんに八丈の小袖を襲着かさねぎせしがもし此道筋このみちすぢを通りしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
致し斯成かくなるうへ重置かさねおかれ二ツにせらるゝとも致し方無く思ひきつて云ひけれど忠兵衞儀は妻に未練みれんの有る處より私しばかり殺すわけにも相成あひならず其場を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)