“もしや”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
万一33.3%
16.7%
若哉16.7%
萬一16.7%
摸寫16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
静子の行動しうちが、偶然か、はたこころあつて見送つたものか、はた又吉野と申合せての事か、それは解らないが、いづれにしても智恵子の心には、万一もしや自分が男と一緒に乗つてゐる事を
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「江藤さん、私は決して其様そんなことは真実ほんとにしないのよ。しかし皆なが色々いろんなことを言っていますからもしやと思ったの。怒っちゃいけないことよ、」
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
しかしお秀が局を欠勤やすんでから後も二三度会って多少事情わけを知って居る故、かの怪しい噂は信じなかったが、此頃になって、もしやという疑が起らなくもなかった。
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
若哉もしや異國船共參申候はゞ、君臣之節不相失處迄は相盡つもりにて、政照など至極之決心にて、外兩人義民相募あひつのり、三人は必至に罷成居申候間、是等の事ども樂しみにて相暮居候事に御座候。
遺牘 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
我ものに一義も被引受頼母敷たのもしく共、難有共不申、身にあまり國家の爲悦敷よろこばしき次第に御座候。若哉もしや老公むちを擧て異船へさきがけ御座候はゞ、逸散いつさん駈付かけつけむへ草(埋草)に成共罷成申度心醉仕申候。
遺牘 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
官臭とやら女子の知らぬ香のする黨には鮒馬の君とて用ひも輕からず、演説上手にて人をも感動さするよし、夫れもしかなり口車よく廻はらでやは、萬一もしやに引かれて二十五の秋まで
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
文の便りの度々につられて萬一もしやと思ひしは昔、今日のお蘭は其やうな優しきお孃樣氣をすてたれば、古手の嬉しがらせに仰せをかしこみて御別莊に御機嫌をうかゞふまでの耻はさらさじ
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
モデル臺、石膏せきかう胸像きようぞう、それから佛蘭西ふらんす象徴派しやうちやうはの名畫が一まいと、伊太利いたりーのローマンス派の古畫こぐわ摸寫もしやしたのが三枚、それがいづれも金縁きんぶちがくになつて南側の壁間かべ光彩くわいさいを放つてゐる。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)