“ひょっ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
偶然66.7%
万一33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「大丈夫とは思うけれど、偶然ひょっとするとおゆうは帰って来ないかも知れないね。不断から善く死ぬ死ぬと言っていたから」
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
何だか深切そうないお祖父じいさんらしいので、此人に聞いたら、偶然ひょっとポチの居処いどころを知っていて、教えて呉れるかも知れぬと思って、凝然じっ其面そのかおを視ると、先も振向いて私のかおを視て
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
此処で又紛々ごたごたと入乱れ重なり合って、腋の下から才槌頭さいづちあたま偶然ひょっと出たり、外歯そっぱへ肱が打着ぶつかったり、靴のかかと生憎あいにく霜焼しもやけの足を踏んだりして、上を下へと捏返こねかえした揚句に、ワッと門外もんそとへ押出して
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「多分それまでに帰ってくるようなことはないだろうと思うけれど、偶然ひょっとして良人うちが帰って来たら、うまい工合に話しておいて下さいよ。せんに縁づいていた人のお墓参りに行ったとそう言ってね」
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
同じ長家ながやる重二郎の母をけようと思ったが、否々いや/\先程又作が箱の中へ入れて隠した書付が、万一ひょっとしての三千円の預り証書ではないか