萬一もしや)” の例文
新字:万一
官臭とやら女子の知らぬ香のする黨には鮒馬の君とて用ひも輕からず、演説上手にて人をも感動さするよし、夫れもしかなり口車よく廻はらでやは、萬一もしやに引かれて二十五の秋まで
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
文の便りの度々につられて萬一もしやと思ひしは昔、今日のお蘭は其やうな優しきお孃樣氣をすてたれば、古手の嬉しがらせに仰せをかしこみて御別莊に御機嫌をうかゞふまでの耻はさらさじ
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)