“がんぜん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
眼前83.7%
頑然9.3%
巌然2.3%
顔前2.3%
龕前2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
このとき、どこからか、さっとくものような灰色はいいろかげが、眼前がんぜんをさえぎったかとおもうと、たちまちあみあたまからかかってしまいました。
すずめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
然し、こうはずのないのが、血気派だった。頑然がんぜんと首を振る。額にすじを走らせて、それを大野の狡智こうちである、臆病である、又いやしむべき武人の態度だと罵って
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
相手をおびき出すためであった。しかるに相手は動かない。左右に踏ん張った二本の足が、鉄で造られた雁股かりまたのように、巌然がんぜんと床から生え上がっていた。
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
丁度雲間から現われた斜陽はすびを真正面に浴びて、儂のレンズの底にハッキリと映じたが、彼は飛行帽も眼鏡もかなぐり捨てて、片手をむなしく顔前がんぜんにうち振り
恐しき通夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
あくれば天明元年、春水本国広島藩のまねきに応じて藩学の教授となれり。其婦と長子とを携へて竹原に帰り父を省し、更に厳島いつくしまの祠に詣づ、襄は襁褓むつきの中に龕前がんぜんに拝せり。
頼襄を論ず (新字旧仮名) / 山路愛山(著)