頑然がんぜん)” の例文
釜どころか、今は、彼がその強悪と大慾をもって、生涯につくりめた「物」の全部も——また最後のいのちをすら失いかけているのであるが、頑然がんぜん
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
然し、こうはずのないのが、血気派だった。頑然がんぜんと首を振る。額にすじを走らせて、それを大野の狡智こうちである、臆病である、又いやしむべき武人の態度だと罵って
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
頑然がんぜん、信長に対抗している敵は、由来、長曾我部元親ちょうそかべもとちかであったが、信長は、その敵に対して、三好みよしの一族を遠くから援護して当らせ、ともかく今日までは、その伸展しんてんを制して来た。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし、戸口にざわめいている四、五人の荒法師たちは、頑然がんぜんと肩をいからせて
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼はなお、頑然がんぜんと、ここに生き残って、ひとみひかりを、失っていなかった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「しかもまだ、あの通り、城は、頑然がんぜんたるものです」
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ふざけては困る」頑然がんぜんと、怒った。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)