“がんか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
眼窩59.4%
眼下24.6%
願掛8.7%
巌下2.9%
厳下1.4%
巖罅1.4%
眼窠1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼の大きくくぼんだ眼窩がんかや、その突起したあごや、その影のように暗鬱な顔の色には、道に迷うた者の極度の疲労と饑餓きがの苦痛が現れていた。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
しかるに今吾輩が眼下がんか見下みおろした人間の一団体は、この脱ぐべからざる猿股も羽織も乃至ないしはかまもことごとく棚の上に上げて
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
なにか願掛がんかけをするときに、そういう約束を神さまにむかってする者が多くなっているようだが、村々のほうでは、もとは千度参せんどまいりと称して、たくさんの人が言いあわせて
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
涅槃堂ねはんどう、マタ人ノ病ムナシ、何故ニ、コノ如クナルト。食後タダ見ル。師ノ衆ヲ領シ、山後ノ巌下がんかニ至リ、杖ヲモッテ、一死野狐ヲ挑出シ、スナワチ火葬ニヨラシム。
野狐 (新字新仮名) / 田中英光(著)
このとき、とつじょとして洞内からおどりでた、一壮漢そうかんがある。その顔はあしゅらのごとく、眼は厳下がんかでんのごとくかがやいている。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
手もて探りて漸く進むに、石土の熱きを覺ゆるに至りぬ。巖罅がんかよりは白き蒸氣騰上たうじやうせり。既にして平滑なる地を見る。こは二日前に流れ出でたる熔岩なり。
そうして、その眼窠がんかに詰められたガーゼの端が覗いている。私はあわてて再び瞑目する。が、小さい絆創膏が沢山貼られていた、あの男患者の青黒い顔が目に浮かぶ。私はまた急いで目を開く。
落日の光景 (新字新仮名) / 外村繁(著)