“喰着”の読み方と例文
読み方割合
くっつ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
追かけて来た人達は、色々にいってお島をなだめたが、お島は箪笥たんすをはめ込んである押入の前にぴった喰着くっついたなりで、身動きもしなかった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
松脂まつやにのような手や首の皮膚はだの色、磁器のような白い眼球がんきゅう、上端が鼻の先へ喰着くっつきそうにって居る厚い唇、其処そこから洩れて来る不思議な日本語
小僧の夢 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
それから、あたかも二人は日本橋の橋手前まで来ていたのだが、探偵は村井銀行の先を右へ曲って、中央郵便局の方角へ歩き出した。無論湯河も彼に喰着くっついて行かなければならなかった。
途上 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)