眼球めのたま)” の例文
「寧ろこの使用つかい古るした葡萄ぶどうのような眼球めのたまえぐり出したいのが僕の願です!」と岡本は思わず卓を打った。
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
すなわち、私どもの眼は、眼球めのたまを通して、青葉という「色の世界」を認識したのです。知ったのです。「ああ、もうスッカリ新緑になったな」と眼は知るのです。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
一打いちダアスばかりの眼球めのたまの中を、仕切しきって、我身でお妙を遮るように、主税は真中へ立ったから、余り人目に立つので、こなたから進んで出て、声を掛けるのははばかって差控えた。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ところが面白いことには、仏教ではこの「根」をば、「扶塵根ぶじんこん」と「勝義根しょうぎこん」との二つに分けて説明しておるのです。たとえば、眼でいうならば、眼球めのたまは扶塵根で、視神経は勝義根です。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)