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ふりがな文庫
“
情景
(
シーン
)” の例文
私の後ろから、金井半四郎の憎悪に充ちた眼が、この不思議な
情景
(
シーン
)
を見詰めて居るからですが、そんな事はもう問題ではありません。
新奇談クラブ:07 第七夜 歓楽の夢魔
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
面白い。が然し、動きがないね。一つの
情景
(
シーン
)
だけで……勿論その情景は、窓に坐って女学生の讃美歌の合唱をききながら田舎の女を
春
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
ところが、停車場から市中へ足を踏み入れると、華やかな初夏の
情景
(
シーン
)
を備えた街々が、一歩一歩眼前に展開されていくのであった。
勲章を貰う話
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
勿論、主題はゲーテの「ファウスト」であるが、大体私の奇癖として、なにか一つでも
視覚的
(
ヴィジュアル
)
な
情景
(
シーン
)
があると、書き出しや結末が、労せずに
泛
(
うか
)
んで来るのだ。
「黒死館殺人事件」著者之序
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
「此処から眺めると相当の
情景
(
シーン
)
と見うけられるが、仲間ぢや安心だな。」
まぼろし
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
▼ もっと見る
二人の心持が、突き詰めた真剣なものであるらしいにもかかわらず、鳴海司郎は、映画の或
情景
(
シーン
)
を見て居る心持にさえなるのでした。
悪人の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼は、廊下に吊るされた籠の中の、駒鳥の快い鳴き声を寝台の上でききながら、太公が彼に勲章をくれる晴れがましい
情景
(
シーン
)
を想像してみた。
勲章を貰う話
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
高張提灯の薄暗い灯の下に、五六十人も押し重つた町内の人達も、あまりの
苛酷
(
かこく
)
な
情景
(
シーン
)
に眼を反けて、非難の囁やきを波打たせます。
銭形平次捕物控:003 大盗懺悔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
昨夜
(
ゆうべ
)
の騒ぎを知らぬ筈がない、親子の間の、浅ましい
情景
(
シーン
)
を知らぬ筈がない。隣の部屋の美奈子さへ、眼を覚してゐるのに、瑠璃子が知らない筈はない。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
高張提灯の薄暗い
灯
(
あかり
)
の下に、五六十人も押し重なった町内の人達も、あまりの苛酷な
情景
(
シーン
)
に眼を
反
(
そむ
)
けて、非難の
囁
(
ささや
)
きを波打たせます。
銭形平次捕物控:003 大盗懺悔
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
昨夜
(
ゆうべ
)
の騒ぎを知らぬ
筈
(
はず
)
がない、親子の間の、浅ましい
情景
(
シーン
)
を知らぬ筈がない。隣の部屋の美奈子さえ、眼を覚しているのに、瑠璃子が知らない筈はない。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
悲鳴に交って、猛犬の吠える声、屋上庭園の物凄い
情景
(
シーン
)
を後に、書生一人を番人に残して、英子は元の客間へ静々と帰りました。
判官三郎の正体
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それと同時に、眼前の
情景
(
シーン
)
に対する嫉妬の心は少しも減じなかつた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
平次はクルリとその激動の
情景
(
シーン
)
に背を向けました。後ろからスタスタとついて行くのは、恐ろしく腹の減ったくせに、胸が一杯になっている八五郎です。
銭形平次捕物控:089 百四十四夜
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それと同時に、眼前の
情景
(
シーン
)
に対する
嫉妬
(
しっと
)
の心は少しも減じなかった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
その美しくも無氣味な
情景
(
シーン
)
も一瞬にして消え、女は身を
飜
(
ひるがへ
)
して、夜の水の中に、ザンブと跳び込んだのです。
銭形平次捕物控:321 橋場の人魚
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その美しくも無気味な
情景
(
シーン
)
も一瞬にして消え、女は身を
翻
(
ひるがえ
)
して、夜の水の中に、ザブンと跳び込んだのです。
銭形平次捕物控:321 橋場の人魚
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
大井久我之助は
猿臂
(
えんぴ
)
を伸して、一本の徳利を取りました。お染の演じた激情的な
情景
(
シーン
)
に勇気をかき立てられたのでしょう、早くも大振りの盃に注いで呑もうとするのを
銭形平次捕物控:237 毒酒薬酒
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
大井久我之助は
猿臂
(
えんぴ
)
を伸ばして、一本の徳利を取りました。お染の演じた激情的な
情景
(
シーン
)
に勇氣をかき立てられたのでせう、早くも大振りの盃に注いで呑まうとするのを
銭形平次捕物控:237 毒酒薬酒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
あまりの物凄い
情景
(
シーン
)
に直面して、物言うことも、身動きをすることも忘れてしまったのです。
悪魔の顔
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
俎
(
まないた
)
の上の赤ん坊は、泣きも叫びもせず、好い心持さうにニコニコしてゐるのが、
四方
(
あたり
)
の陰慘な空氣の中に、不思議な對照を
描
(
ゑが
)
き出して、身の毛のよ立つやうな氣味の惡い
情景
(
シーン
)
です。
銭形平次捕物控:001 金色の処女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
俎板の上の赤ん坊は、泣きも叫びもせず、
好
(
い
)
い心持そうにニコニコしているのが、
四方
(
あたり
)
の陰惨な空気の中に、不思議な対照を描き出して、身の毛のよだつような気味の悪い
情景
(
シーン
)
です。
銭形平次捕物控:001 金色の処女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
井戸端で、半裸体の娘を抱き上げた時は、半蔵も、さすがに酔いが
醒
(
さ
)
めてしまいました。この悩ましい
情景
(
シーン
)
は、呑んだくれの半蔵にとっても、あまりに、痛々しい
刺戟
(
しげき
)
だったのです。
銭形平次捕物控:012 殺され半蔵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
駒形の大村邸に行った平次とガラッ八は、大変な
情景
(
シーン
)
を見せられてしまいました。
銭形平次捕物控:040 大村兵庫の眼玉
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
会長の美しい
吉井明子
(
よしいあきこ
)
夫人、幹事の
今八郎
(
こんはちろう
)
をはじめ、三十六人の会員達は、真珠色の光の中に、歌劇「サドコ」の海中の
情景
(
シーン
)
を見るように、静まり返って、怪奇な話に
聴入
(
ききい
)
って居ります。
奇談クラブ〔戦後版〕:10 暴君の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
駒形の大村邸に行つた平次とガラツ八は、大變な
情景
(
シーン
)
を見せられて了ひました。
銭形平次捕物控:040 兵庫の眼玉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
真珠色のスタンドから射す光は、この
情景
(
シーン
)
をすっかり劇的に照して居ります。
流行作家の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
激情の
情景
(
シーン
)
を
背後
(
うしろ
)
に、銭形平次はそっと部屋の外に滑り出ました。
銭形平次捕物控:084 お染の歎き
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次の言う
情景
(
シーン
)
は凄まじいがしかし争う余地のないものでした。
銭形平次捕物控:114 遺書の罪
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
小屋を埋むる客は、この刺戟的な
情景
(
シーン
)
に
動搖
(
どよ
)
みを打ちました。
銭形平次捕物控:016 人魚の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
小屋を埋むる客は、この刺戟的な
情景
(
シーン
)
に
動揺
(
どよ
)
みを打ちました。
銭形平次捕物控:016 人魚の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次の言ふ
情景
(
シーン
)
は凄まじいが
併
(
しか
)
し爭ふ餘地のないものでした。
銭形平次捕物控:114 遺書の罪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“情景”の意味
《名詞》
情 景(じょうけい)
心に訴えるところのある光景や場面。
(出典:Wiktionary)
情
常用漢字
小5
部首:⼼
11画
景
常用漢字
小4
部首:⽇
12画
“情景”で始まる語句
情景詩