“一齣”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひとこま50.0%
ひとくさり20.0%
いっせき10.0%
いっしゃく5.0%
いつく5.0%
いつしやく5.0%
ひとくぎり5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ファウスト劇の中にメフィストフェレスがファウスト博士に化けて訪問の学生をあしらう一齣ひとこまがあるが、私はあれを思いついたのである。
メフィスト (新字新仮名) / 小山清(著)
大村の話は私よりもっと興味が深かろうと思いましたから、帰りは静岡へ寄って老父や老母相手に一齣ひとくさり大村の懐旧談に花を咲かせました。
棚田裁判長の怪死 (新字新仮名) / 橘外男(著)
余は井筒にれる男女の図に対してなんの理由なくただちにマアテルリンクの戯曲 Pelléas et Mélisande の一齣いっせき聯想れんそうせり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ここに演じまする一齣いっしゃくの劇曲は、暗い、苦しい一時いっときの鏡中のすがたをばお目にかけるのです。
かの女はひとつのものからひとつのものへと大きく動いて行く自然の道程の一齣いつくとして是非ともその墓に詣でなければならないのを感じたのであつた。
百合子 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
これを知つてゐる自分の眼からは、一齣いつしやくの曲が観えてならない。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
話もちょうど一齣ひとくぎりらしい。
露萩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)