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古
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むかし
ふりがな文庫
“
古
(
むかし
)” の例文
わたしはやはり、本居先生の歌にもとづいて、いくらかでも
古
(
むかし
)
の人の
素直
(
すなお
)
な心に帰って行くために、詩を詠むと考えたいんです。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
古
(
むかし
)
の学者は『書を以て書を読む』と言つてゐるが、実際さういふ風にならなければ、複雑な進んだ読方は出来ないものである。
小説新論
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
古
(
むかし
)
でも画を
讃
(
ほ
)
めるのに、「美くしい」といってほめる人より、「実物の通り」といってほめる人が多かったに違いない。
想像と装飾の美:それを持つ特殊の個性によって生かさるべし
(新字新仮名)
/
岸田劉生
(著)
金の卵を産む
雞
(
にはとり
)
を持つてゐるものは、何よりもまづその卵の
数
(
すう
)
を控へ目にさせなければと
古
(
むかし
)
の人も言つてゐた。
茶話:07 大正十四(一九二五)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
古
(
むかし
)
この猿ヶ馬場には、
渾名
(
あだな
)
を
熊坂
(
くまさか
)
と言った大猿があって、通行の旅人を
追剥
(
おいはが
)
し、
石動
(
いするぎ
)
の里へ出て、刀の
鍔
(
つば
)
で
小豆餅
(
あずきもち
)
を買ったとある、と雪の
炉端
(
ろばた
)
で話が
積
(
つも
)
る。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
鴻巣
(
こうのす
)
にいたりて汽車を棄て、
人力車
(
くるま
)
を走らせて西吉見の
百穴
(
あな
)
に人間の
古
(
むかし
)
をしのび、また引返して汽車に乗り、日なお高きに東京へ着き、我家のほとりに帰りつけば
知々夫紀行
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
頼
(
よ
)
るべきものがない以上は、古い道徳に
頼
(
よ
)
らなくてはならない、
古
(
むかし
)
に
復
(
かえ
)
るが即ち
醒覚
(
せいかく
)
であると云っている人だから、容貌も道学先生らしく窮屈に出来ていて、それに幾分か世と
忤
(
さか
)
っている
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
ああやっぱり? ……
古
(
むかし
)
の人はいいことをいっている。“人に千日のいい顔なし、花に百日の
紅
(
くれない
)
あらじ”と。……無理もねえ。兄貴は欠かさず役署づとめ。家のことはお構いなしの性分だ。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
また五處の
屯倉
(
みやけ
)
一九
を副へて獻らむ(いはゆる五處の屯倉は、今の葛城の五村の苑人なり。)然れどもその
正身
(
ただみ
)
まゐ向かざる故は、
古
(
むかし
)
より今に至るまで、臣連
二〇
の、王の宮に
隱
(
こも
)
ることは聞けど
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
露西亜
(
ロシア
)
人、または名も知らない島々から漂着したり帰化したりした異邦人の末とは違ひ、その血統は
古
(
むかし
)
の武士の
落人
(
おちうど
)
から
伝
(
つたは
)
つたもの、貧苦こそすれ
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「
古
(
むかし
)
から智仁勇といふ言葉がある。」と侯爵はかう言つて、魚のやうに口を
尖
(
とが
)
らせて皆の顔を見た。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
況
(
いわん
)
や待望の雨となると、長屋近間の
茗荷畠
(
みょうがばたけ
)
や、水車なんぞでは気分が出ないとまだ
古
(
むかし
)
のままだった番町へのして
清水谷
(
しみずだに
)
へ入り
擬宝珠
(
ぎぼし
)
のついた弁慶橋で、一振柳を胸にたぐって
遺稿:02 遺稿
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
とにかく
古
(
むかし
)
は画具などの不自由から、写実の道はどうしても発達し切れないので、強く欲しつつその不足を皆が皆装飾によって足していた。この意志は日本画の歴史を見ると解ると思う。
想像と装飾の美:それを持つ特殊の個性によって生かさるべし
(新字新仮名)
/
岸田劉生
(著)
ずつと
古
(
むかし
)
の幸四郎である。——が、ある時芝居の初日がはねて
家
(
うち
)
へ帰つて来た。そして長火鉢の前に坐つて、
女房
(
かない
)
を相手に酒を飲みながら、今日の舞台の出来を彼是取沙汰してゐた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「どうでせう、美保の關の人間くらゐ
古
(
むかし
)
を守つてゐるものも、めづらしいでせうな。親代々から鷄も飼はず、孫子に傳へて玉子も食はないなんて、そんなところが他にありませうか。」
山陰土産
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
それには一週間ばかり
以来
(
このかた
)
、郵便物が通ずると言うのを聞くさえ、
雁
(
かり
)
の
初
(
はつ
)
だよりで、
古
(
むかし
)
の名将、また英雄が、涙に、
誉
(
ほまれ
)
に、
屍
(
かばね
)
を
埋
(
うず
)
め、名を残した、あの、山また山、また山の山路を、
重
(
かさな
)
る峠を
栃の実
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ある
皮肉家
(
ひにくや
)
が、
古
(
むかし
)
の詩人は血で書いた、
中頃
(
なかごろ
)
になつては
墨汁
(
インキ
)
で書いた、それが
極
(
ごく
)
近頃になつては
墨汁
(
インキ
)
に水を割つて書くやうだと言つたが、涙にしても水を割つたら、直ぐ瓶に詰まりさうなものだが
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
古
(
むかし
)
の
本陣
(
ほんぢん
)
と
云
(
い
)
ふ
構
(
かま
)
への
大
(
おほ
)
きな
建
(
たて
)
ものは、
寂然
(
ひつそり
)
として
居
(
ゐ
)
る。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
遠き
古
(
むかし
)
を忍ぶらむ
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
古
常用漢字
小2
部首:⼝
5画
“古”を含む語句
古家
中古
古人
往古
古本屋
反古
太古
古代
古木
古城
古昔
古井
古瓦
古婆
稽古
蒙古
古渡
古市
古文書
古典
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