“いにしえ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
92.2%
3.0%
古昔1.8%
往古1.2%
古人0.6%
古代0.6%
昔時0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「王政のいにしえに復することは、建武中興けんむちゅうこうの昔に帰ることであってはならない。神武じんむの創業にまで帰って行くことであらねばならない。」
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
曰く李下に冠を整し瓜田に履を納れずとは何か。曰く寛政の三奇人とは誰ぞ。曰く何。曰く何と。もし審に此等の問に答得るの学力あらば誰か亦活弁とならんや。いにしえに在っても論語読み論語を知らず。
偏奇館漫録 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
府中はいまさら説くまでもなく、古昔いにしえの国府の所在地で、六所明神は府中の惣社そうじゃ
怪異暗闇祭 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
伊勢神宮の内宮うちみやは、往古いにしえから二十一年ごとに、新しゅう改造する制であったが、応仁おうにんの乱以後は、そのこともすたれて、ここも荒るるにまかせてあったを、おことの父信秀には、その御式の復古に
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「弟。おまえは、古人いにしえ伯夷はくい叔斉しゅくせいをどう思うね」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
われら猿とは古代いにしえより、仲しきもののたとえに呼ばれて、互ひにきばを鳴らし合ふ身なれど、かくわれのみが彼の猿に、執念しゅうねく狙はるる覚えはなし。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
その頃吉原には、金瓶楼きんぺいろう今紫いまむらさきが名高い一人であった。彼女は昔時いにしえ太夫職たゆうしょくの誇りをとどめた才色兼美の女で、廃藩置県のころの諸侯を呼びよせたものである。
明治美人伝 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)