往年むかし)” の例文
卯平うへい村落むらかへつてから往年むかし伴侶なかまあひだふたゝくはゝつて念佛衆ねんぶつしゆうの一にんになつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そぞろに金三の上忍ばれて、お艶に金三の事聞き合はす時あれど。お艶はいつも不興気にて、父様とは往年むかしの事、私をもお前をも、お捨てなされし淵瀬様の事、いつまでも父様といふものでなし。
野路の菊 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
独逸人は往年むかしから地獄の事にはよく通じてゐた。
往年むかしからわたしの憲法なんですから
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)