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出来
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しゅったい
ふりがな文庫
“
出来
(
しゅったい
)” の例文
旧字:
出來
「ひと通りのことはさっき幸次郎さんにもお話し申したのでございますが、手前どもの店に少々困ったことが
出来
(
しゅったい
)
いたしまして……」
半七捕物帳:68 二人女房
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「若ッ! 一大事
出来
(
しゅったい
)
! 三島の宿で雇い入れました鼓の与吉という人足めが、かのこけ猿の壺をさらって、
逐電
(
ちくでん
)
いたしましたっ!」
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
何か変事が
出来
(
しゅったい
)
したのではないか。私が信号手ひとりをそこに残して帰ったがために、何か
致命的
(
ちめいてき
)
の災厄が起こったのではあるまいか。
世界怪談名作集:06 信号手
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
言いかえれば、彼女はもうとても私と逢うことは出来ないと
覚
(
さと
)
った。というのは、私が他に心を奪われることが
出来
(
しゅったい
)
していたからである。
世界怪談名作集:12 幻の人力車
(新字新仮名)
/
ラデャード・キプリング
(著)
家人たちもいかなる異変
出来
(
しゅったい
)
かと思い、おっ取り刀で、——女性たちは
擂粉木
(
すりこぎ
)
とか
鋏
(
はさみ
)
とか
箒
(
ほうき
)
などを持って、——集まって来た。
思い違い物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
「それでございます。実は大鳥家にとりまして、甚だ外聞を憚る儀が
出来
(
しゅったい
)
致しましたので、実にはや、何とも彼とも申上げ様のない事件で」
黄金仮面
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
金蔵が恨もうと、お豊が帰るまいと、別に心に残ることはなかったが、兵馬が去ってから後の室町屋には大変が
出来
(
しゅったい
)
しました。
大菩薩峠:05 龍神の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
電信機発明以来、
別
(
べっ
)
して遠方の事もすみやかに相わかり、右器械を用い候えばワシントンまで
一時
(
いっとき
)
の間に応答
出来
(
しゅったい
)
いたし候。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
後
(
のち
)
日本国で今はえらいという俗言が一つ
出来
(
しゅったい
)
せし由、しかれば古き喩えはいずれも故実のある事、今様の俗言も何なりと
拠
(
よりどころ
)
のある事ならん云々
十二支考:10 猪に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
でわれわれ一同の者、かえって気持ちがセイセイし、大きく笑ってあきらめかけた時、とんでもないことが
出来
(
しゅったい
)
してござる。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
出来
(
しゅったい
)
の上で、と辞して
肯
(
がえん
)
ぜぬのを、平にと納めさすと、きちょうめんに、
硯
(
すずり
)
に直って、ごしごしと墨をあたって、席書をするように、受取を——
夫人利生記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
勘定局を建てられ〔この人選ことに大切なり〕
差寄
(
さしより
)
五百万両くらいの紙幣
出来
(
しゅったい
)
皇国政府の官印を押し通用相成るべきこと。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
「現に、あやつのお蔭で、御大家の、秘蔵の息女まで、とんだ身の上になられ、いやもう、大騒動が
出来
(
しゅったい
)
いたしたる位だ」
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
あるいはこれらの事情を圧倒するにいたるべき他の有力なる事情が
出来
(
しゅったい
)
するときには、死はなんでもなくなるのである。
死刑の前
(新字新仮名)
/
幸徳秋水
(著)
きっと発見するに相違ありません……そこにどんな事件が
出来
(
しゅったい
)
するか、わたしにもほとんど見当がつかないくらいです。
世界怪談名作集:17 幽霊の移転
(新字新仮名)
/
フランシス・リチャード・ストックトン
(著)
それは支那
出来
(
しゅったい
)
の鉢で、まわりに綺麗な人物が描いてありましたが、それをきらきらした金の鉢にしてしまったのです。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
『
不慮
(
ふりょ
)
の
椿事
(
ちんじ
)
、
出来
(
しゅったい
)
いたし、勅使をお迎え申し奉る大礼に、何かの御不審もござりましょうが、平にお見のがしの程を』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
第一の少女の
傍
(
そば
)
にいたら、この先どうなるか分らない、ことに
因
(
よ
)
ると実際弁解の出来ないような怪しからん事が
出来
(
しゅったい
)
するかも知れないと考え出した。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
……ここに、意外なことが
出来
(
しゅったい
)
したというのは、ほかでもない。お上がかねてお手飼いなされ、ことのほか御寵愛なされた『
瑞陽
(
ずいよう
)
』ともうす丹頂の鶴。
顎十郎捕物帳:09 丹頂の鶴
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
それ/″\牢内に入れ置く例でございます、文治を乗せたる船が海上
恙
(
つゝが
)
なく三宅島へ着きますると、こゝに一条の騒動
出来
(
しゅったい
)
の次第は次回に申上げます。
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
十月には伊勢殿の御勘気も解けて、
上洛
(
じょうらく
)
御免のお
沙汰
(
さた
)
がありましたとやら、またそのうち
嘸
(
さぞ
)
かし色々と怪しげな物ごとが
出来
(
しゅったい
)
いたすことでございませう。
雪の宿り
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
「——いかなることあるとも他言いたすべからず。大事
出来
(
しゅったい
)
、一刻を急ぎ
候
(
そうろう
)
あいだ、馬にて参るべし。 豆州」
右門捕物帖:20 千柿の鍔
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「どうも驚いちまった。日本にこんな事件が
出来
(
しゅったい
)
しようとは思わなかった。一体どうしたというのだろう。」
食堂
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「今度は両陛下ともコロンバスに動かされて、その結果、新大陸発見という
劃時代的
(
かくじだいてき
)
の事件が
出来
(
しゅったい
)
したのさ」
ガラマサどん
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
御徒目付からは、御徒組頭
久下善兵衛
(
くげぜんべえ
)
、御徒目付土田
半右衛門
(
はんえもん
)
、
菰田仁右衛門
(
こもだにえもん
)
、などが駈けつける。——殿中では忽ち、
蜂
(
はち
)
の巣を破ったような騒動が
出来
(
しゅったい
)
した。
忠義
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
なにしろかような
へんじ
(
変事
)
が
出来
(
しゅったい
)
いたそうとはたれいちにんもゆめにもおもいつかなんだことでござります。
盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
すでにそういう美術品要素が
出来
(
しゅったい
)
した以上、今日ではそれは下らないものだが内容さえよく、そしてぴったりすれば、その描方でもあるいは生かす事が出来よう。
想像と装飾の美:それを持つ特殊の個性によって生かさるべし
(新字新仮名)
/
岸田劉生
(著)
り候実はただ今
直
(
すぐ
)
にても御面会致し親しく懇願
致度
(
いたしたき
)
事件
出来
(
しゅったい
)
候が何分意に
任
(
ま
)
かさず候故手紙にて申上候
書かでもの記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
わが子の師である伯円に逐一此を伝へたことが「天保六花撰」
出来
(
しゅったい
)
の縁起に手記してゐる。
下谷練塀小路
(新字旧仮名)
/
正岡容
(著)
ここを出て地獄茶屋でひと休み
息
(
やす
)
んでいると、
只事
(
ただごと
)
ならぬ叫び声が聞える。スワ何事の
出来
(
しゅったい
)
と、四人一度に飛び出す。見れば一頭の
悍馬
(
かんば
)
谷川へ
陥
(
お
)
ちて今や押し流されんず有様。
本州横断 痛快徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
、
井沢衣水
(著)
予、なにごとの
出来
(
しゅったい
)
せしやと疑いながらただちに披封すれば、なんぞはからん、「父大病につき、ただちに帰宅せよ」と、親戚某より寄するところの電報なり。
愕然
(
がくぜん
)
、大いに
憂懼
(
ゆうく
)
す。
妖怪報告
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
折角の深い交際が
疎
(
おろそ
)
かになったり、恩義ある人に悪感を抱かせたり、又は大切の得意を
失策
(
しくじ
)
ったりして、後悔
臍
(
ほぞ
)
を
噬
(
か
)
む共及ばぬような大事件が
出来
(
しゅったい
)
するその最初の一刹那なのである。
謡曲黒白談
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
その他何らレジームを攪乱するごとき事件がその間に
出来
(
しゅったい
)
しなかったにせよ、藤原時代の有様が、そのままに引いて足利時代まで伝わるべきものではなく、外部からの影響がなくても
東山時代における一縉紳の生活
(新字新仮名)
/
原勝郎
(著)
これは、ほんのたとえでございます。いかなる事態が
出来
(
しゅったい
)
いたしましても、法皇を
現代語訳 平家物語:02 第二巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
読経の後、遺族、近親、参会者、築地小劇場員の焼香があって、当日
出来
(
しゅったい
)
したデスマスクが発表された。午後三時半法事を終って、ここに小山内薫先生の築地小劇場葬は
恙
(
つつが
)
なく終了した。
小山内薫先生劇場葬公文
(新字新仮名)
/
久保栄
(著)
シカシこのままにして捨置けば将来
何等
(
どん
)
な
傷心恨
(
かなしい
)
事が
出来
(
しゅったい
)
するかも測られぬ。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
然
(
しか
)
る処また明朝も同様、大審院の方に止むを得ざる用件
出来
(
しゅったい
)
いたし
候
(
そうろう
)
上、あなた様はじめ、アヴドーチャ・ロマーノヴナの親子兄弟、水入らずの御対面をお妨げ致すも心ぐるしく存じ候につき
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
が、ここに一つの難事が
出来
(
しゅったい
)
した、それは雪が深くなるにつれて、年少組は川へ水をくみにゆくことができなくなったことである。ゴルドンは
思案
(
しあん
)
にあまって、まず第一に工学博士に相談をした。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
いったい何事が
出来
(
しゅったい
)
したのかと、うるさくそれを問い糺そうとした。
外套
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
「重国が、一本
出来
(
しゅったい
)
してまいった。御気に召さば、御
差料
(
さしりょう
)
に」
大岡越前の独立
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
しかしどんな事が
出来
(
しゅったい
)
するにしても7750
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
一、
笹
(
ささ
)
の
雪
(
ゆき
)
横町に美しき氷店
出来
(
しゅったい
)
の事
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
あっぱれ
出来
(
しゅったい
)
したるものかな。
死刑囚最後の日
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「殿、大事
出来
(
しゅったい
)
」
礫心中
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
前々から廃業したいという
下心
(
したごころ
)
があったところへ、こんな騒ぎがまたもや
出来
(
しゅったい
)
したので、父の市兵衛はいよいよ見切りを付けまして
青蛙堂鬼談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
かれらは大事
出来
(
しゅったい
)
とみて、その中にいる人物をよそへ移すか、またはその場で片づけるつもりだろう。菅田平野は走りながら旅嚢と燧袋を投げだし
日日平安
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
今まで種々大事件が
出来
(
しゅったい
)
いたしましても、なにごともお耳に入れず、無言の頑張り合いをつづけてきたのでございますが、
明日
(
あす
)
こそは丹波を斬って
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
悪くそんな奴が
蔓
(
はびこ
)
ると、たちまち、能職が謡屋を
兼
(
かね
)
るような事が
出来
(
しゅったい
)
する。私がこのままで我を通せば、餓鬼、畜生と言われても、明日の舞台は天人だ。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
十月には伊勢殿の御勘気も解けて、
上洛
(
じょうらく
)
御免のお
沙汰
(
さた
)
がありましたとやら、またそのうち
嘸
(
さぞ
)
かし色々と怪しげな物ごとが
出来
(
しゅったい
)
いたすことでございましょう。
雪の宿り
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
弁倉児など呼ばる(『皇立
亜細亜
(
アジア
)
協会北支那部雑誌』二輯十一巻五九頁)、天復中隴右の米作大豊年で、刈ろうと思う内、稲穂が大半なくなり大饑饉
出来
(
しゅったい
)
した。
十二支考:11 鼠に関する民俗と信念
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
出
常用漢字
小1
部首:⼐
5画
来
常用漢字
小2
部首:⽊
7画
“出来”で始まる語句
出来栄
出来上
出来事
出来損
出来合
出来星
出来悪
出来秋
出来難
出来心