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出来
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いできた
ふりがな文庫
“
出来
(
いできた
)” の例文
旧字:
出來
普通
(
なみ
)
の小さきものとは違いて、夏の宵、夕月夜、
灯
(
ひとも
)
す時、
黄昏
(
たそがれ
)
には
出来
(
いできた
)
らず。初夜すぎてのちともすればその翼もて人の
面
(
おもて
)
を
蔽
(
おお
)
うことあり。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
折柄警部は次の
室
(
ま
)
にて食事中なりしかば其終りて
出来
(
いできた
)
るを待ち
突如
(
だしぬけ
)
に「長官大変です」荻沢は
半拭
(
はんけち
)
にて髭の
汚
(
よご
)
れを
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
今日そんな酷い事は出来ず、人の言語は天賦で自ずから
出来
(
いできた
)
るか、他より伝習して始めて成るかを判ずるにこれら狼に養われた児輩に拠るのほかないと言った
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
折から縁に
出来
(
いできた
)
れる若き女は、
結立
(
ゆひたて
)
の
円髷
(
まるわげ
)
涼しげに、
襷掛
(
たすきがけ
)
の惜くも見ゆる真白の
濡手
(
ぬれて
)
を
弾
(
はじ
)
きつつ、座敷を
覗
(
のぞ
)
き、庭を
窺
(
うかが
)
ひ、人見付けたる会釈の
笑
(
ゑみ
)
をつと浮べて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
もし、
出来
(
いできた
)
ることにつきて、よく/\思量すべきなり、所詮は事にふれて、名聞我執を捨つべきなり
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
▼ もっと見る
兎角
京童
(
きやうわらべ
)
の
口善悪
(
くちさが
)
なき、飛んだ迷惑をするものも
出来
(
いできた
)
れる次第なるが、これも一つは「人生」といふ字の意義の誤解され易きに因せし者なれば、無暗に敵になり味方になる事なく
人生の意義
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
出来
(
いできた
)
るべき
前表
(
ぜんぺう
)
なりけん
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
愛に対する道徳の罪人は
那辺
(
なへん
)
にか
出来
(
いできた
)
らむ、女子は
情
(
じやう
)
のために其夫を毒殺するの要なきなり。男子は愛のために密通することを要せざるなり。
愛と婚姻
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
この一筋道を行くなれば、もしかの人の
出来
(
いできた
)
るに会はば、
遁
(
のが
)
れんやうはあらで
明々地
(
あからさま
)
に
面
(
おもて
)
を合すべし。さるは望まざるにもあらねど、静緒の見る目あるを
如何
(
いか
)
にせん。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
何事をか
残員
(
のこりいん
)
と問答せし末、
出来
(
いできた
)
りて再び余を従えつ又奥深く進み行き、裏庭とも思わるゝ所に出で、
开
(
そ
)
を横切りて長き石廊に登り行詰る所に至れば
厳
(
いか
)
めしき鉄門あり
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
... 見
度
(
た
)
い、
夫
(
それ
)
まで先ず辛抱したまえ」とて是より
凡
(
およ
)
そ二十分間ほど立たれど細君は
出来
(
いできた
)
る様子なし目「是だけ待て出て来ねば此上待つにも及ぶまい、来たまえ、さア
行
(
ゆこ
)
う」
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
雍
(
しとや
)
かに
紙門
(
ふすま
)
を
押啓
(
おしひら
)
きて
出来
(
いできた
)
れるを、
誰
(
たれ
)
かと見れば満枝なり。彼
如何
(
いか
)
なれば
不躾
(
ぶしつけ
)
にもこの席には
顕
(
あらは
)
れけん、と
打駭
(
うちおどろ
)
ける
主
(
あるじ
)
よりも、荒尾が心の中こそ更に
匹
(
たぐ
)
ふべくもあらざるなりけれ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
図らざりき
斯
(
かゝ
)
る堂々たる大議論が女流の口より
出来
(
いできた
)
らんとは
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
出
常用漢字
小1
部首:⼐
5画
来
常用漢字
小2
部首:⽊
7画
“出来”で始まる語句
出来栄
出来上
出来事
出来損
出来合
出来星
出来悪
出来秋
出来難
出来心